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【495】終わりと始まりの日本列島 [ビジネス]

 ハードディスクがいかれたと思いケーブルを全て外してPCケースの側面を開けてみたところ、騒音源は埃まみれになった背面の冷却ファンであった。他にも埃がたまっていたので掃除機を片手に、箱の内部を隅々まで吸って綺麗にしてやったところ、なんと随分とおとなしくなってしまった。
 ファン回転軸の軸受が摩耗してぶかぶかになり、付着した埃で重心の軸が狂っていたらしい。あんまり気にならないレベルまで音が下がったとはいえ、やはり時々軸が暴れているようなので近々交換するかな。せいぜい千円ぐらいのことだろう。
 当のハードディスクはまだウンともスンとも言わないので、交換は見合わせることにする。

 …で、なんとまた地震である。3.11震災から5年半か。
 これ、もう余震がどうこういう従来の知見とは、現象が根本的に違うんじゃないの?

 いろいろ測定技術も進歩しているとはいえ、結局は石や土に埋まった地面の深い深い所で起こることだから、『蓄積された応力が、地質の強度の限界をいよいよ超えそうになっている』のような、地震現象に直結する予測情報の検出は不可能である。
 まずはこの地震で大きな被害が出ていないことを祈るばかりだが、熊本地震の震度7×連続2回の発生モードといい、地震への対応意識を刷新せねばならない時期に来ているのではないか。

 3.11震災の復興みたいな地味でシケた工事なんか、さっさとフェードアウトにしてばっくれようぜ。少額のウソ計画で五輪呼び込んで、東京再開発の看板かかげてパァーっと儲け話の百花繚乱といこうや。
 どうせ日本じゃ、政府が決めてゼネコンが工事に手ェつけちゃえば、みんな諦めて何も言わなくなると相場が決まってるんだ。あとは『また借金が増えちゃいました』って、メディアがテキトーに困ったふりしてオシマイだ。日本じゃ『決まったことは仕方ない』んだよ、決めちまえば勝ちさ。
 こんなボロい利権天国の常識感覚も、いい加減に刷新しろということだろう。日本列島が本気で怒り出している。

 冷静に日本中を見回してみなさいな。
 あっちこっちに大規模なスポーツ会場施設を、いっくらでも思い付けるはずだ。
 本当にそれが、どんな改修を施そうが五輪会場として使い物にならないような欠陥施設なのか、今一度マジメに考えてみてはどうだろうか。

 今さら蒸し返して悪いが、といいつつ確信犯で蒸し返すが、辰巳国際水泳場だっけ?

 まず無理苦理に観客席を増設しようとするのも馬鹿馬鹿しいが、
  その観客席のほんの一部からの視点で、スタート&ゴールが柱に蹴られて見えない
 『だから五輪会場として使えない』…って、未だに本当の話かどうか疑わざるを得ないんだが。明らかに辰巳候補地を潰す意図があり、みんなこの屁理屈をそれと判りながら、邪心の計画に押し切られたのだ。

 だいたいサーキット場なんかグランドスタンド以外で観る客の方が圧倒的に多いし、20年以上前から複数ヵ所にオーロラビジョンを置いて、グラスタ以外の観客にも適宜必要な画像を流すサービスが定着している。これがインドア用なら遥かに安くて済むし、なら普通に辰巳でやれるじゃん。周辺そこらへんの既存の大空間に片っ端からインドアのオーロラビジョン置いて観客席にするんだろ?
 高額の負担を急にほのめかされてお冠の知事さん方、このへん問い質して『相談するなら、ちゃんとギリまで経費節減してから持って来い!』と突撥ねた方が迫力あると思うぜ。

 要は新設なんかもう工期が成立しないから、心を入れ換えてちゃんと現有設備を使えというハナシである。何度も繰り返しているが、どうせ間に合わない。
 恐らくゼネコンどもも現時点で本気の図面は引き始めていないだろう。どれもマトモに実現しないのは一番よく判っており、工数の無駄だからだ。多分、計画遅れの違約金を税金から払い出す作戦で、関係者一同お約束の上『対応するフリ』を演じるんだろうな。
 あとは『また』、『ガキが謝りゃ済むハナシ』だと。

 不可抗力の天地変動にも、だらしない人間の習慣にも、いよいよ日本列島を含む社会組織の自我が、現実的に変化を感じ始めるような気がする。
 なあに、物事に自然に向き合い解決していく流れにできるなら、運を呼び込むチャンスだ。

 この予想を年内に突込んでおきたかったので敢行したが、年末までもう一回はあるのかどうか…

【494】シロート風快適クルーズのススメ [ビジネス]

 ちょっと思い立ったので、歳末の交通安全ネタでもやってみるかな。
 高速道路の長距離運転は割と得意な方だ。最長だと630kmを一人で走って帰省していた時期もあった。食事を含む休憩まで入れてだいたい8時間前後の旅程だったっけ。

 何よりまず、シートの背もたれを倒し過ぎている人が多い。
 後傾姿勢というのは、身を投げ出してふんぞり返る瞬間にはリラックスした解放感が得られる。しかし頭の重さを背骨の軸方向の荷重で受けられないため、しばらく時間が経つと肩が凝ってきてタイヘンである。
 だからヘッドレストがあるんじゃないかという人もいそうだが、あれは追突された時などに首を後ろに折られないためや、一時的に頭を預けるためのものであり、だから決して頭をもたせかけ続けて落ち着く形状ではない筈だ。

 イメージとしては、座面にどすんと座ったら、上半身はボクシングの構えというかバスケットボールのチェストパスというか、身体の直前に閉じた空間を軽く抱えるような姿勢を取るのが正しい。そのまま全身を脱力すれば前に突っ伏すくらいの感じ、脊椎の上半分が湾曲して車体の上下動を吸収する感じである。実はこの方が、断然に疲れない。
 これでステアリングのてっぺんを握り肩を突張れる角度まで背もたれを立てる訳だが、まあ高Gを受けながら山道を飛ばすのでもないから、そこから少し後ろに倒した方が乗り降りするのにラクなんだろうな。いずれにせよ、大抵の人は今より背もたれを立てることになると思う。古来『ヘタクソのオバチャンはかじりつく姿勢で運転する』という定番の認識が普及しているせいもあってか、多くの人がシートを退き過ぎ、シートバックを倒し過ぎているのだ。
 なおステアリングの握りは9時15分が原則。両手で輪を回すのに最も自然な位置だし、上記の通りに姿勢を決めれば、あながち下の方をズラして持つのがラクとも感じないだろう。

 運転姿勢はこのくらいにしておいて、次が平衡感覚の麻痺に気を付ける話である。ずっと運転しっぱなしでいると、加減速方向の感覚があやふやになってくる。
 長い下りなのに何だか車が重いなあと思っていたら、実は上り坂だったりするというやつだ。面白いことに、運転していない同乗者にこの現象は起こらない。確信できないが、『あ、またアレか』と思った時の記憶が、右に左にうねるワインディングの場所に多い気がするので、三半規管をゆ~らゆ~らG変化で弄ばれながら運転操作するのがいけないのかも知れない。

 勾配の読み誤りくらいなら車線の流れを乱す程度で済むのだが、渋滞で『停止と微速前進の区別がつかなくなる』現象には、接触事故にも直結するため意識して気を付けたい。
 マニュアル車でも停止と微速前進を繰り返していると、いま動いているのか停まっているのかよく判らなくなり、例えば『念のため』のつもりでブレーキを踏み込むと、実は動いていて急停車状態になり自分も後続車も驚くことになるのだ。AT車はDレンジでクリープするため尚更の注意が必要である。
 この現象は、聴覚を解放することで随分と発生を抑えることができる。渋滞の表示を見つけた時点で、早々にカーステレオやラジオは切っておいた方が間違いが無い。

 あとはひたすら目的地めがけて走るのみだが、始終一定レベルで頑張り続けるよりは『稼ぐ時』と『流す時』を自分で明確に区別して、稼ぐと決めたところで積極的に追越車線に出ながら飛ばし、流すと決めたところでは走行車線を80キロで走りながら休む。これが最も効率が良いようだ。
 もちろんSA・PAできちんと休憩は取るとして、もう首や肩がカチコチに固まる疲れ方はしないはずだから、自ずと休憩時間にすることも違ってきて無駄もなくなること請け合いである。是非お試しあれ。

 ま、年末年始の民族大移動の時期だし、思いつくままにささっと即効性のある実用ネタを書き落としてみました。
 何故かというとこの一両日、満3年目を迎えたハードディスクの作動音が断続的に大きくなってきており、作業は大急ぎの最小限にして明日交換するからでして…

【493】美談役者の出演条件 [ビジネス]

 東京五輪準備は一区切りついたんだか、どうなんだか。
 そもそもの発端は『コンパクト五輪』だったはずだが、いつの間にかバカ高に膨れ上がった『浪費狼藉五輪』の方が基準にすり替わっており、『今さらの大規模な変更は混乱する』みたいな理屈のゴリ押しばかりが目立っていた。

 とりあえずその『混乱しない基準通りのセン』で節目がついた訳だが、それにしては『五輪は東京都がやるもんであって、自分らに主催の最終責任は無い』とでも言いたげな逃げ口上を含ませた、組織委員会とやらの見解がいかにも不自然である。
 今頃そんなこと言い出すなら、最初から小池都知事の計画改変案に口出すなよってハナシにもなるんだが、まあマトモな道理で会話を持ちかけるだけ時間の無駄なんだろうな。

 はて、ここ数ヵ月の一連の会場計画検討の顛末をもって『小池都知事が結局は無力だった』などという論調で吹聴したのは、どことどこだっけかね…?

 『組織委員会』というコトバ、聞き始めの頃から気色悪いと感じたのは私だけだろうか。
  “The Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games”
 JOCと東京都により設立された一般財団法人だそうだ。ええっ?JOCとはまた別だったのか、知らなかったよ。こりゃ参ったね。

 今その違いを追究する努力に意味は無いから置いといて、ひとまず辞書を確認すると”organise”という動詞の意味は『組織化する』と記されている。
 五輪事業というのは、会場を仕立てて、周辺環境を仕立てて、運営人員を集めて、観客を集めて、いろんなことを的確に組み合わせないと成立しない大ゴトなので、諸事タテ割にならぬよう五輪目的で横串を一貫する方向のまとめ力が必要だ。これがまさに『諸事を組織化する』という作業であり、それを受け持つべく専用に設定されるのが”Organising Commitee”ということなんだろな。
 つまり『組織委員会』よりも『諸事組織化委員会』の訳が正確だと思う。長くなってスマン。

 現状の行きがかりでは、無能が余計な統合力を主張しないだけむしろ手間が省けて良いのだが、本来なら『諸事組織化委員会』が五輪に関わる決裁を東京都だけに押し付けて放棄するなどあり得ない話である。いわんや会場計画の大筋は『諸事組織化委員会』の主張していた通りになっている筈なのに。
 何故そんなことになっているのか。

 『ダメオヤジ五輪』が焦げ付いたからじゃないのか?
 現状の言い値2兆だ3兆だで済ます気なんか毛頭なく、ありとあらゆる付帯公共事業を青天井でやり散らかす魂胆だったのだ、多分。『ヨシロー先生、お願いしますよ~』なんて擦り寄って、うまく取り入ることさえ叶えば、ママゴト力関係が横行するポンコツ政権ゆえ税金資本はいっくらでも調達できると。よって五輪担当大臣は常時、機能ゼロの空っぽ人材が相応しい。
 国民の与り知らぬ水面下でこっそり交わされていた、誰もが目を剥く天文学的巨額の勝手な先行契約が、白日のもと『そんなのは無いものとして』、一連の改革騒動が語られてしまった。
 小池式に完全開示を保証しての、四者協議を経た結論だ。これをもって今後、開示の対象になっていない新規発生事業は全てゼロベースの可否判断を通さねばならない。

 おいおいハナシ違うじゃんかよ。これまでの接待も貢物もどうしてくれんだよ。
 できるはずだった横暴が頓挫し、威張って召し上げた借りだけが積み上がってしまったのが今の状態なのだ。
 いやワシら『諸事組織化』する力も役割も持ち合わせないんだが…、で腹立ち紛れを装って知らぬ存ぜぬを決め込む以外に無いのだろう。
 そもそもが水面下のママゴト口約束で動く世界だから正々堂々と投資回収を迫れるものでもなく、群がっていた寄生虫どもも三々五々ダメオヤジ帝国の漁場を放棄しにかかる。ハダカである事実が公然となった以上、王様に絡む価値は存在しない。

 …で、それは良いとしてだ。
 不快だの憤ってるだの、周辺自治体首長どもの態度があまりにも酷いんじゃないのか?
 いつも大好きな『心はひとつ』『絆でつながる』『みんな仲間』みたいな綺麗ゴトはどうした?
 2020東京五輪は、他ならぬ『日本国の』首都が中心地で計画されており、だからこそ『日本中で良いコトになるように』積極的に関わるのが義務だと思うぞ。

 子供はみんな見て解っているはずなんだが。

【492】バーチャル絶望ラーニングの傷心修了証 [ビジネス]

 そんな訳で、この貴重な実感が消えないうちに素案を組んでみよう。

 わかりやすさ最優先でいくなら、子供がサンタクロースを信じる年齢のうちに、親御さんに身を隠してもらって一芝居打つのはどうだろうか。23時以降、明るくなる前までの深夜時間帯で。
 お父さん或いはお母さんが倒れて病院に運ばれたことにして、寝ている子供を叩き起こし、深夜の救急診療の待合室に連れて行って1~2時間を過ごさせるのである。不謹慎なトラブルにならないよう、必要に応じて本物の待合スペースとはガラスの間仕切りでも入れるか。無いのが理想だが。

 救急診療の待合室は、今回の我々のように患者本人と付添人の組み合わせだけでなく、屋外側から救急車で搬入された患者の処置が始まっているところへ、患者の関係者が連絡を受けて流れ込んでくるケースも同席する。ただならぬ空気を纏った数人がうつむいて席につき無言のまま、そのうち診察室の扉が開いて『誰それさんの関係者の方』と呼ばれ、心配そうに連れ立って消えていく。診察室5扉で1時間半待つ間に2、3組いたけれど、その後どうなったかは知らない。
 部屋着にマスクをして、一人タクシーで乗り付けてきたお嬢さんもいたっけな…

 そこへ、すっかり元気になった姿でお父さんなりお母さんなりが現われてやれば良い。先生と看護婦さん、もちろん役者で十分、に『もう大丈夫だから安心しなさい』と言い切ってもらえば良い。
 自分を含む一般人では戦いようのない大事な人の絶体絶命を、日本の医療システムが商売抜きの超特急で魔法のように解決してくれた。その有難味を成長初期の心に焼き付けるのである。
 いずれ友達と体験談を交換し真実を知るのだろうが、その安堵と感動の印象は消えないはずだ。後に学校で健康保険制度や病院を取り巻く医療システムのことを勉強したその子は、それがどんなに心強い仕組みなのかを理解できると思う。
 大人になり、納得して保険料を納め、不正な使い方なんか絶対にしない。自分も医者や看護婦になって人を助けたい、喜ばせたいと夢を持ってくれるかも知れない。

 これは子供を騙して可哀相な精神的負担を与える虐待行為だろうか?
 大人を信用しなくなったらどうする、トラウマになったらどうする、そんな話だろうか?

 まあいいや。もう少し続けよう。
 医者も看護婦も同じ社会に暮らす人間だから、それなりの報酬を出さねば生活できない。救急車を用意するにも購入費がかかるし、それを走らせようとすると当然ガソリンを入れねばならず、それは特殊な何かではなくガソリンスタンドで誰もと同じ立場で買うものだ。
 要は、普通のおうちの生活で普通に使う、御馴染みのそのお金と全く同じお金で実現しているものなのである。

 ホントはもっとかかってると思うけど、とりあえず病院施設と救急車は既に揃っているとして、関係者への給料とガソリン代を足して、救急車出動で行う診療1回を1万円だとしよう。
 4百億円=1万円×4百万回だから、東京都民1千3百万人相手に、いつでも3人チョイにひとりは救急車にかかれる有難くも実用的な額となる。これだけのモノを小池都知事は、五輪計画の汚職で悪者が使い捨てる都民の将来負担からもぎ取ってくれたと考えてはいかがだろうか。
 まだ計画額の段階ではあるが、されど計画額ゆえ、この先実費が常に目指す目標値となって機能し続けるのだ。ウン、ねえさん偉いっ!大したもんだよ。

 ちょっと桁が増えただけで自分がちょろまかされているという事実認識を易々と煙に巻かれ、そもそも事業計画との整合をきちんとチェックしながら遂行する目的意識も身に付いていない脳足りんが、実にまんまと組織委員会とやらの詐欺に引掛りつつ『大山鳴動して…』などと御高説をぶつのだから笑わせる。
 どこの粗悪バカか知りたくもないが、あんなの都知事会見に出してて仕事になるのか?

 日本社会の医療に限らず、組織には何らかの公共ケア=福祉機能システムが設定されるのが普通であり、通常はみんなから運営資本を集め、能力と適性を備えた選出メンバーがその役目に就くことになる。福祉機能を支えるメンバーにはどうしても負荷が集中しがちで、その他大勢から支援の申し出も無いままに呑気な要求や気まぐれな批判を浴びて頑張る構図になるが、これは私の知る限り止むを得ない作動点だ。
 そう、時折喰らうモンスター相手の出動も『やってらんない』なんて投げ出さずに救急車は走る。その寛大な割り切りで仕組みが維持されているから、ウチの母も助けてもらえた。感謝、感謝。
 『みんなのお陰=組織力』には案外と大きな内部摩擦の損失がつきもので、それは相応に高品質で頑丈な受け皿が揃い、助けあい励ましあい笑いあいながら出力し続けられる幸運に恵まれて実現する。普段あんまり気にしないその当たり前、実は滅多にない耳寄りなハナシなのですよ。

 昨今、悪いコト嫌なコトが増え、この幸運がどんどん起こりづらくなってきた【269】
 だから社会全体に始まり企業も学校も、安心安全の正常作動が保証されなくなっているのだと思う。
 こんな社会でトクして威張りたいのか、できる範囲で安心安全を一緒に支えたいのか、よく考えて選ぶ意識が必要な時代なのだ。そして私の経験では、周囲に作り込んだ幸運は必ず自分自身に共鳴する。

 若い人たち、よく見て考えよう。
 『みんなのお陰』に良心を注ぐ知恵を覚えずケッコウに老いると、あんな貧相な顔のまま誰にも惜しまれずこの世から追い出される日が訪れるのだ。

【491】超ラッキー自画像の義務教育 [ビジネス]

 私の母は87歳、既に平均寿命に到達している訳だが、実に幸いにして元気だ。

 去る10月末、母の人間ドックのフォロー検査結果を受けて、面談で私が呼び出された。
 やはりというか遂にというか、盲腸壁に組織変成おそらくは癌が見つかったという。癌だったとして、表層部のみのステージ1あるいは深層に達したステージ2初期の可能性もアリ。
 さて、どうしたものか…!?

 『切れませんか』と医者に訊いたら驚かれてしまった。
 確かに後期高齢者というにも高齢すぎるから無理もない。だが母方の家系は百歳超が十分あり得るため、ゆっくりでも進んでしまうと晴れきらない雲を抱えた余生を送る破目になる。半端な医療措置にだらだら世話になりながら…なんてことになれば、健康保険制度に申し訳ない余計な負担もかけてしまうことになる。
 ステージ1なら内視鏡で腸壁を表層から削るだけで済むが、削っていって実は深かったことが判明するとか、削って終わらせたつもりが残っていて何年か後に再発とか、そんな展開になると打つ手なし。まさか人並み以上生きている婆さんの腹を何度も削ったり穴開けたりしたら、そっちが原因であの世に行ってしまいそうだ。
 盲腸なら消化器の入口から出口までで最も切除がラク、多少の不整脈があり血圧は高めだが健常体。今のうちなら、万一のリスクに腹さえ括って一発で切れば、この幸運を活かせる。

 そんな訳で、私が切除の判断に踏み切り、母は僅か10日の入院で無事に帰宅できた。
 詳細については回を改めるとして、今回はその続きのハナシ。

 退院翌日の深夜に手術痕付近の衣服が濡れたと言い出したから大騒ぎである。
 慌てて駆けつけてみると、どうやら高齢につき傷が塞がるのが少し遅れただけのようで、だが万が一腹膜炎につながる恐れでもあったとしたら、このせっかくの幸運も水泡に帰してオシマイとなる。病院の緊急電話番号に連絡を入れ事情を説明したら、有難くも普通に自家用車の乗り付けで受け入れてくれることになった。救急車なんか使えるか。

 真夜中過ぎの緊急診療は2時間半かかったが、少なくともその間『タクシー代わりの救急申請』は一人も見当たらなかったと思う。裏返せば、本当に緊急診療を必要とする人たちだけで丑三つ時の待合室は十分に混んでいる。
 電話一本の即刻対応、僅か2時間半後に処置完了で何の不安も無く帰宅でき、次回の予約に合わせて通院するだけ。つくづく現代日本の手厚く迅速な医療体制には、改めて手を合わせて拝みたい気持ちになった。
 同時に、これが保証されない国民が増えているという事実には、空恐ろしいまでの不安を感じる。まず『今この仕組みが無かったらどうしたろう?』の疑問に戸惑い、次に事情はどうあれ『この仕組みにあやかれない者が、どんな心境で暮らさざるを得ないのか』の疑問に深い無念とただならぬ不安を禁じ得ない。
 昔はこれで、少なくとも採算が合う理屈にはなっていた。だが今は、採算が合わないどころか現状のままでは破綻が間違いないとして過言ではない。その時、我々はどうすることになるのだろうか。

 こういう実感の疑似体験教育って、早いうちにどこかで出来れば案外な効果があるかも?
 …などと考えたので、忘れる前に書き落としておくことにする。

【490】悦楽パラダイスの条件 [ビジネス]

 やれやれ本格的に起工式までやっちゃいましたか、みんな嫌いな災いの割り箸細工。
 まあ当然のごとく、今日時点で既にあちこち手は付いていたんだが。

 結局1,490億という超高額の経費負担を、既に借金王状態のこの国家財務ゆえ、丸々次世代以降の若い国力に一方的に押しつけた訳だ。老若男女全て残らず国民一人あたり千円以上を巻き上げられるのだから、相応の質のサービスを重々考えて施さないと、この事業が一体どんな目に遭うかわかったものではない。
 どこまで真面目に計算したのか知らないが、ただでさえ原発の後始末にかかる費用の言い値が、当初から倍増して20兆以上かかるってんだろ?大慌てで節約こそすれ、過去に他類も無いバカ高レガシーなんぞ作ってる場合ではないのだ。
 必ず大勢の憎悪と軽蔑を浴びて忌まわしい災厄を呼び込んでしまうため、おかしなものは作るべきではないと述べたが【76】、まあ心の準備だけはしておくんだろうな。日本社会が本心で認める『楽しく面白く盛り上げたいコト』なら、皆もっと関心持って、それこそ制止しても起工式にギャラリーが詰めかけて、昨今のハロウィンにも通ずる乱痴気騒ぎの雰囲気が漂っていておかしくない。

 ところで話を大きく振ってIR、統合型リゾート施設とわざとらしい語感の呼称にしているが、要はカジノだ。
 このグローバル経済構造の時代にあっては、特に外貨獲得のために導入した方が良いと思うが、ここへ来て候補地が雨後の筍のように乱立している。経済効果が大きそうなので、どこも手を挙げたいんだろうな。

 カジノと言えば私はラスベガスしか知らないけれど、あそこを成功させたと考えられる立地特性をふたつ挙げておきたい。
 ひとつは、薄着で暮らせる温暖な…というか酷暑の砂漠気候である。銃器を厚く長い上着の下に隠すこともできないし、着の身着のままにまで落ちぶれても凍死の心配は無い。空調は必要だが建物や街路に大掛かりな排水口・側溝なども必要ないし、雪が降り積もって視界や足場を奪われることも無い。結構これが治安維持に効いているのではなかろうか。
 もうひとつは無限の荒野に陸の孤島として存在する、一般空間からの隔離性だ。幹線道路と空路以外に出入りする手段が、まあ無いとは言わないが、街が途切れた最果てのその先は一面ガラガラヘビやサソリが潜む岩石砂漠である。
 管理しやすい隔離地域であることは犯罪抑止力にもなっていると思うし、周囲との物流が遮断されるので何かと特区にしやすい。街の存在意義が『カジノで収益を上げること』と割切られており、その大上段の目的に特化した税制その他の経済システムが組まれていると聞いた。

 そう、カジノは賭博であり遊戯の一種であり、よって原則その基本機能に生産性など無い。

 大したサンプル数ではないが、何人か知り合いのパチンコ好きにこれまで生涯の総戦果の積算イメージを訊いてみたところ、『ちょっと負け側じゃないかなあ』の回答が一番多いようだ。つまりプロでもない限り、パチンコは『本気で勝って大儲けをするつもりで出かけ、大枚スッて落胆するモノ』ではなく、ふっつう~にカネ払って好きな時間を遊んで過ごすだけの娯楽なのである。
 特にラスベガスなんかは、その不夜城性を地盤にした派手なアトラクションや飲食業などが独自の進化を遂げており、『もしかしてもしかしたら、一発当てて夢の大儲け』を心の隅っこに、テーマパーク扱いで訪れる客が大多数だと見受けた。
 ロスでホテル住まいをしていた時のこと、ロビーの売店で馴染みになったお婆ちゃんが
  『明日からの三連休はベガスで過ごすのよ。今日は早めに閉めちゃうんだからっ♪』
 こらこら…って、いや私はもう用事もないし構わないのだが。いま思えばあのワクワクきゃっきゃは、日本でネズミやハリポタのいる遊園地に行く直前の女の子さながら、そんな感じなのである。

 レンホー議員の『負けた人の掛け金が収益』という荒んだ極論は、あまりに世間知らずで聞き苦しい。
 どこの誰に何のウケ狙いか量りかねるのだが、その後に陳腐な流行語を発言に織り交ぜたり、どうも知性にも品性にもセンスの無い反論だったと思う。
 基本、カジノ込みIRは外貨獲得の手段であり、生産活動ではなく消費活動である。普通の人は、万に一つの確率にほのかな夢を抱きながら、そこで過ごす時間に対価を払っているのだ。真剣ギャンブラーにせよギャラリー遊覧組にせよ、『そこでカネを使う事が目的』の人間が心して集まるので、うまく運営すればカネはたくさん手に入る。

 【274】でも書いた通り、私はカジノを否定視しない。
 今や世界中でカネ目当てを見透かされ、邪険にされ始めた五輪なんかよりは、少なくとも財務改善の実効解として可能性を感じる。
 確かに、それにしても法案採決の流れが酷すぎるのは問題なのだが…

【489】帰ってきた卑怯者の王国 [ビジネス]

 どうしようもないんだけど、ホント都議会って救いようが無いな。
 小池都知事に『笑うんじゃねえよ』とか抜かしたの、どのジジイか簡単に割れるんだろ?
 割れよ。
 その後に『答弁じゃないな』とか抜かした野郎だよ、たぶん。同じ声だと思う。

 会議といわず質疑応答をする場合、きちんとその意図が理解されているかどうか確認しながら相手に質問をし、十分に考え抜いてもらって回答を得る。そうでなければ質疑応答なんかする意味は無い。
 相互に見解が一致する点と一致しない点を綿密に明らかにし、その各々についてどう対処していくかも双方で認識を共有する。せっかく会議の場を持ったのに、その結論を受けて一方が動き出した途端、他方から『おいおい話が違うよ』なんてことになったら、ただの時間の無駄だ。
 だから私は、しつこかろうがくどかろうが、流通情報とその見解には徹底的に再確認を捻じ込むタチである。相手からの着信情報も、必要ならば少々面倒がられても間違いないと確信できるまで、失礼になりそうでも『差支えない範囲で』と謝りながら納得できるまで、内容の確実な把握に努める。

 ライブの会議にせよメール往復談義にせよ、相手に少しでも行き詰まる素振りが見えたら、即刻こちらから一時中断を申し出るのが原則。そこから『このまま待つのが良いか、仕切り直しが良いか』の相談に切り換えても構わない。相手が何にどう行き詰まったかまで開示してくれるなら、一緒に相手の発言をまとめるのに手を貸しても良いくらいだ。
 有能な人間同士が一堂に会し、皆の知識と思考力を組合わせて最適解を得るためには、そうするのが最も効率的だからである。
 意思疎通を徹底する気配りができないなら、会議なんかやらないほうがマシなくらいだろう。その反面、まず異なる見解が衝突して一時的に流れが悪くなるのは大いに結構、少しくらい場がぶっ壊れても何の問題も無い。

 そう、小池都知事に何か訊きたいなら、落ち着いて普通にひとつずつ尋ねれば良いのだ。

 ダメオヤジ裸劇の世界においては、何しろ頭の悪すぎる不良品の集団ゆえ、いきなりツラ突き合わせて開口一番では互いの欲が突張り合って会話が噛み合わず、そのまま発散や堂々巡りに陥ることも多い。だから事前に力関係や立ち位置を駆使して言い分を摺り合わせておく必要があるのだ。
 この摺合せがまずあって結論まで出ていて、その途中経過で出た質疑応答は前もってシナリオにしておき、会議の場ではそれをお互い読み上げるだけ。これが都議会といわず、日本社会のあちこちにはびこるダメオヤジ裸劇の定番展開であることはよく知られている。つまり調整ごとが会議の場でなく、妄想の力関係やママゴト配役で決まる歪んだ事前処置を根拠にして動くところに、害悪性の本質があるワケだ。

 だからドンがどうとか水面下の事前処置なんか廃止して、調整ごとは白日の下のライブ会議に委ねるのがフェアでしょうよ。小池都知事の意向はその通り、普通に正しい。
 問題は、相手に理解して貰うどころか、わざとあり得ない発言量を連続で浴びせて心理負担をかけ、正常な答弁を不可能にして傷めつける悪意が、都連側にあったことだ。出来損ないのオトコがよってたかってオンナを苛める、まさにその目的に他ならない。

 ひとりの女性が嫌がらせ感情むき出しのダメオヤジ多数を含む大勢を前にして、あんなメチャクチャな量の質問を長時間にわたって浴びせかけられたら、情報処理能力の作動に破綻をきたすのも自然なことだ。一生懸命メモとって真面目に戦い過ぎたとも見えるが、その正しさこそが今の東京都にとって最大の魅力でもある。
 まずはごゆっくり休息を。いつもお疲れさまです。どうもありがとうございます。

 こういう行き過ぎた『いじめ』行為が、時として残念な犠牲を出すこともあるのだが、都議会のコイツら過労死問題に絡めて労働環境の改善がどうたら、滅多な寝言を口走ってたりしないだろうな?
 こういうの得意な人、都議会の画像と音声を分析して、どこのどいつがナニ抜かしたか整理してはくれまいか。それほど凝った機器もなく簡単に出来るはずだし、ぜひ知りたい都民国民も多いはずだから、ネットで公開すれば閲覧数や高評価は集まりやすいと思う。

 こういう質の情報で稼ぐレス数は、今の時代なかなかのステイタスだと思うんだが。

【488】お受験ターミネーターくんの躾作法 [ビジネス]

 ちょっと前の話題だが、東大合格を目指すAI『東ロボくん』が、その目標を諦めたそうだ。
 断念の理由として紹介されていた、解決目処が立たない難課題というのが、
  Q:暑いのに歩いてきたの?
  A:喉が渇いた、だから…
で、『だから…』に続く回答を、用意された単語を使って英作文するという問題である。

 “...so I asked for something cold to drink.”(だから何か冷たい飲み物を探していた)
と正解すべきところを、
 “…so cold I asked for something to drink.”(とても寒いので飲み物を探していた)
と誤答してしまったそうな。
 『暑いのに歩く』理由として、気温現象や移動動作と無関係の『冷たい飲み物が欲しい』欲求を、受験関連事項のライブラリーにストックしそこから探し出して、この回答文に適用するまでの判断ができなかったんだな。『暑いのに何故?』に対して、『いや、私は寒いから』の方が文法規則的には素直な反応という訳だ。

 問題文中に手掛りは無く、その一方で『人間が時や場を問わず共通認識している常識』が正解の情報要件に含まれている。
 まずAIにこの常識凡例を仕込まねばならないが、どんな情報形態にした事例単位を一体いくつ記憶させねばならないのだろうか。
 次に常識含みの設問であることを判定するフローチャートが必要になるはずだが、これまた問題文中にそれを起動させるトリガー情報が存在しないため非常に難しい。

 なるほどギブアップの結論に行き着くのも無理はないか…と思いつつも、膨大な記憶容量と超高速の検索速度が揃うなら、泥臭く出遭った事例をひとつずつライブラリーに追加していくという学習機能で一歩ずつながら進化していくことは可能である。
 非IT時代に生まれ、IT機器の進化におのれの想像力を蹂躙され慣れた世代としては、案外エイヤと組んで学習機能に投げ任せてしまえば、早々にぎくりとするほど人間の常識をわきまえたAIが生まれるかも知れない気がする。
 慌てて結果を分析し、途中経緯と答を見てしまえば何てことない、だが最初には絶対に思いつけない、常識思考の構築メカニズムが解き明かされる展開ってのが、まだあり得るように感じてしまう。

 おいおい、日本中の道路を画像データにするなんて無理に決まってるじゃん。おまけに一方通行ありーの、車線別の進行方向規制ありーの、そんな莫大な情報量まで揃わないと実質的には機能しないんだぜ?
 その昔『マップル』を手に、こんな戯言を吐いていたものだ。ええ、浅はかでございました。

 チェス、将棋、囲碁など、数限りない対戦事例を逐一記憶させれば、少なくともその時点で最も勝率が高いと算出される手を選ぶプログラムが組めるだろう。そしてその勝率は、打ち手が桁違いに多種多様だったりすると進化に時間はかかるのだろうが、とにかく場数を踏んで右肩上がりにはなるはずだ。
 ナニガシか一定の目標事象めがけて情報処理をする社会活動は数多い。というか、前衛芸術など破壊的モチベーションを原動力とする活動でもない限り、社会の全てはこれである。
 ビッグデータにオープンソースのこの時代、過去の事例集で情報処理の雛型を作って初動の足掛かりとしてやれば、単に統計処理で判断し学習を繰り返しながら高度に進化するAIが組めてしまうと考えた方が良さそうだ。
 しかも個人所有のPCレベルでやれて、その成果は大容量・高速配信で拡散していく。

 買い置きしたまま増設をサボっている1テラバイトのハードディスク、値段は僅か6千円少々だった。コイツは私の記憶をサポートする『しもべ』なんかでは最早なく、私より記憶力に長けた別の社会生命体という捉え方をせねばならないのかも知れない。
 だいたいウチのパソコンの記録が今どうなっていて、知財ポテンシャルとしてどんな稼働ができ得るのか、私にはまるで判らないじゃないか。

 『東ロボくん』はまだまだやれる余地を残しているのだが、おのれの負の想像に怯えた人間が勝手に東大受験を諦めたのでは…?などと、開発者さんの苦労も知らない無責任野郎はいい加減なスカ放言を口走るのであった。
 …ま、たまにはこんな話題もいかがなもんでしょうかと。

【487】哀れな勝どき口論の行方 [ビジネス]

 五輪会場計画が次々と元の木阿弥となり、サメ脳が妙に得意気に小池都知事を問い詰めるのが癪に障る…ワケねえじゃん。

 結論から行こう。どうせ現実にならないからだ。
 四者協議とやら、小池都知事の意向が通って全面公開で行われたようだ。これが実に重要な意味を持っていた。
 要は、都民国民、この流れの一切を自由意思で見て各自の責任で判断できる立場を保証されていたことになる。東京都あるいは日本国に暮らす社会人の一人として、東京都知事の口から『こんな計画では3兆円かかります』と確かに聞いたのである。

 このまま『五輪計画の修正はどうせ小池ねえさんが自分で言い出して引き受けた仕事、オレ知~らない、ワタシ知~らない、何だよ結局いまのところひとつも直せてないんじゃん』で終わらせるなら、それが東京都および日本国の判断という事になるのだ。
 当然、計画経費はあっという間に今の何倍にも膨れ上がり、政治家と役人が汚職放題でカネを貪り放題の高笑い。子供たちや若者たちの眼前に拡がる日本社会の将来展望は真っ暗となる。もちろん彼等にとって、全部が全部、自分さえ良ければ、ラクに今をやり過ごせれば、他は平気で犠牲にするバカでだらしない大人のせいである。
 まあ何だかんだで、一般庶民はやられっぱなしに終わるしかない。

 …とここまで書いて、こんなダメオヤジ裸劇シナリオ通りの展開は無いと私は言っている。
 端的に言おう。できねえよ、こんなの。

 ダメオヤジの目的は『都心近辺で高額経費かけまくりの競技場をいくつも新設、で結論を出す』ということであった。計画立案し、設計検討し、施工作業し、発生都度の突発対応まで経て、相応の使用に耐える機能を保証して検収をあげるまでの現実推進に関わるイメージなんか、微塵も頭に無い。
 だから『言い分が通る、通らない』という力関係だけの価値観で、おのれの優勢を確信したかのように得意気な口調にもなるワケだ。無知無能ゆえのおめでたいハナシである。

 まず検討局面の雲行き次第で倍半分以上、金額にして百億ケタでころころ変動するような工事計画など、あってないようなものだ。簡単に言えば、どの会場をどこに落としたいかの都合以外に根拠はなく、あることないこと盛って削って口だけ動かした結果、現時点の直接関係者に当初計画でトクできると思う奴が多かったのだと見受ける。
 つまり現実としてとりかかるべき仕事の具体作業レベルの計画は白紙も同然であり、あと3年で『ボクの考えたジャパン・レガシー会場』のお絵描きを、国際競技の機能要件を満足する超大型設備にまで仕上げなければならないのである。

 以前『カネ積めば工期が縮まるってもんじゃないし、最短工期が標準工期となるのが常識』という業界事情の話をしたが【396】、本件その道でまっとうな仕事をして暮らしている業界人の常識的感覚なら、絶対に受けないほど工期の破綻をきたしている。
 ダメオヤジ裸劇のシナリオは、とうの昔に時間切れで尺が納まらなくなっているのだ。いまビミョーに勝ち誇ってるのは止めても聞かないだろうし放っとくしかないんだけど、あとで業者を脅そうが怒鳴ろうが、なだめようがすかそうが、工事の進捗がさっぱり追いつかず迫り来る五輪開催期日に追い上げられる毎日が続くことを保証する。

 この御時世だから、とりあえず発注すればカネ目当ての業者が群がるのは間違いない。
 言ってしまえば、工期遅れでぐじゃぐじゃの泥沼になり、物損・人身両面で悲惨な事故を繰り返しながらでも、五輪開催のその瞬間は『何かそれっぽいモノが出来ている』状態にはなるだろう。
 だがその『それっぽいモノ』は競技施設と呼ぶには程遠く、豊洲建屋どころではないインチキ手抜きのポンコツ施工、業界どころか日本建築技術の国際的イメージをどん底に叩き落とすレベルの致命的不具合を満載した悪質な仕様落ちでした、これが会期中に次々バレていくオチとなる。

 近年の連続事例集を見てれば判るでしょうが。また五輪炎上大会が再開されるだけなのだ。
 一応、外様だけあって多少は冷静な感覚が持てるのか、保身目当て?でコスト懸念のスタンスに徹して見せダメオヤジと一枚岩に乗ろうとしない外人部隊が、ちょっと面白かった。

 日本社会の自我が今どんな心境なのか、あんまり見解は割れないと思う。
 そう、五輪なんか嬉しくも楽しくもないんだよ。また腹立つアイテムが見つかったら、なぶり殺しにして遊ぶだけだ。
 ここまで解って、出来る限りのことをやってコイツを手懐け五輪開催に持ち込むか、さもなくば炎上地獄の末『史上初の開催不可』の汚名を着るか。どっちにしても、小池都知事はその腹を括っているように見受ける。

 世論が少々ぐらつこうが、相変わらずの『華』に陰りは見えない。うん、いいセンスだ!
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