So-net無料ブログ作成
検索選択

【442】超現実サイエンティストのアドベンチャー実験室 [ビジネス]

 試験問題のついでに、一般教養課程の微積分学の講義のことを思い出した。
 当時の私にはその目的意識が理解できず、難解すぎたこともあって途中で諦めてしまったのだが、この黒星には今も後悔が残る。
 受講ツールとして、学生各自にポケットコンピューターの用意とBASICプログラムの習得を要求された。この折に購入したシャープPC-1401は現役で活躍中である。

 例えば第1象限でy=1/xという関数のグラフを考えてみよう。反比例というやつだ。
 xが大きくなるほどyは小さくなるから、右下がりの曲線が遥か右の遠方でx軸に寄り添っていくカタチになるのは解るだろう。
 これを『xを無限大に飛ばすとyの収束先はゼロ』などと表現するが、遥か行く先の値が一点に定まるところがポイントだ。

 運動方程式を始め物理現象のモデル式を、ああでもないこうでもないと組み合わせ、自分の目前で解析の課題となっている現象を表現できたとしよう。これを実験式と呼ぶ。
 各々単品でも大概ややこしそうな数式たちを掻き集めて来て、『コイツらはこう関連するはず』の理屈を頼りに組み上げて創作した数式なのだから、数学的には得体の知れない前衛芸術品みたいなものだ。
 例えばxにナニガシかの値を突込んで、ちゃんと答が出るかどうかから怪しい。

 上記の反比例の式y=1/xで、間違えてxにゼロを代入したと考えていただきたい。
 1÷0つまり『1リットルのペットボトルから、空っぽのグラスをいくつ注ぎ分けられますか?』と質問するようなものであり、普通の電卓で『ゼロで割る』をやろうとするとエラー表示が出るのは御存知の通り。数学の規則に反する単純な操作なので、これを検知してそもそも計算させないという定型処置が成立している。
 もちょっと深入りして数値で語りたい技術屋としては、xを半分ずつに小さくするプログラムを組んでx=1、0.5、0.25、…と順番に代入し、算出したy=1、2、4…をずらりと表示させて『あーこりゃ無限大に吹飛んで答でねーな』なんて言いつつ、そのつもりを得て次の方針検討にかかるワケだ。

 だが自前でこねくり出した前衛芸術の実験式の場合、こう単純にはいかない。
 xを刻むたんびに、算出したyがプラス値とマイナス値をデタラメに転げまわったり、最初どこかの一定値で答が落ち着きそうだったのに、あるところを境にいきなり『馬鹿デカ大爆発』もしくは『ブラックホール収縮』して明らかにヘンテコな使えない数値に化け、お亡くなりになるケースもある。そりゃ三角関数は正負を行き来するし、指数関数はミクロから天文学的スケールまであっという間だから当たり前なのだが、解って使うべき取扱注意の危険物なのだ。
 こんなものを、せっかくぶんどった貴重なスーパーコンピューターのスケジュール枠を使って、高いカネかけてやらしてしまった日には目も当てられない。

 だから、数式を組んだら『実用数学的に成立しているかどうか実験する』という概念が生まれるのだ。そこでポケコンとBASICプログラムが登場する。
 冒頭の微積分学の講義は、その実習という位置付けだったのだと思う。

 さらに、ぐじゃぐじゃとよく判らん数値ばかり出てきて、道がどうしても見えない場合はこう。
 今度はオリジナルの式をちょびっとだけアレンジして
  『理屈上は絶対にオリジナル式より、ちょっとだけ大きい解になる式』および
  『理屈上は絶対にオリジナル式より、ちょっとだけ小さい解になる式』
を考え出すのである。この時、オリジナルとの大小だけでなく『計算して明確なひとつの値に収束しそうな形の式』にしておくことがポイントとなる。
 こうして『オリジナルよりチョイ上』『オリジナルよりチョイ下』が各々狙い通りにめでたく収束し、オリジナル式の答が直接算出できないまでも、技術検討に十分使える範囲として『こっからここまでのどっかにいる』と追い込めたら、それで仕事としては勝ちだ。

 技術仕事においては、目を吊り上げて目前の数式の答を追いかけるより大事な目的がある。学術数学的にはビミョーにいい加減かつ卑怯な雰囲気の後ろめたさも漂うが、技術屋的には片目つぶってオッケーだったりするワケです。
 ここまで書いておいて白状すると、幸か不幸か私の時代は既に表計算ソフトがかなりの発達を遂げており、実務でここまで入れ込んだ経験は無い。

 ともあれ我々世代が高校理系コースの数学Ⅲあたりでやっていた、『xを無限大に飛ばして関数ふたつで挟み討ち』みたいなのは、実はこういう使い方をするものだったのだ。最初にここまで解っていれば、目的意識がぐらつくことなくあの微積分学の講義で単位が取れてたのに…残念無念。翌年『フツーの微積分学』で単位は揃えたものの、未だに心残りである。
 同時に、こんな面白いコトを教える局面で、あの無駄に難しく重苦しい空気しか出せなかった先生って何だったんだろうとも思う。大学ともなると生徒相手の目的意識を持ったセン公ではなく、ただのイチ研究者が研究室から出てきて講義を持つ形になるから、『頭はメチャクチャ良いのに教えるのはドヘタクソ』という人材だったんだろうが、それにしても酷かった。良い内容なだけにもったいない…

 でも、お解りだろうか。面白くなるか、賢くなるかは、学ぶ側の精神状態の準備で決まる。今この瞬間に感じる自分の好き嫌いや得手不得手感に惑わされてしまうと、後々損をするというお話である。
 根性だけで噛みつき続けて精神力を浪費させてしまうのも良くないが、この話を頭の隅に置いておいて愚かな私の二の轍なんか踏まないよう役立てていただきたい。自分の感情反射に我儘を許さないことだ。

 そう、教科書の数式をいくらスマホで検索しても、こんな話はまず引掛ってこない。
 どっかそこらに、古いコンピューターがお払い箱になってたりしないかね?
 30年前のポケコンでさえ私が絶対追いつけない速度で計算値を叩き出してくれるぞ。
 ちょっと理系寄りの話題になってしまい、文系向きの人には響きが悪かったかも知れないが、変化球で利用する数学もあることを『面白い!!』と思っていただければ十分である。

【441】知財鉱脈のIQガリンペイロ [ビジネス]

 前回の試験の話だが、もちろん解答用紙はA4のレポート用紙みたいな紙一枚に各自で学生番号と氏名をテキトーに書き入れ、やおらカッコ1…と記述していくことになる。紙面が足りなかったら裏を使えと。大学のひとコマだから、持ち時間は90分か100分だろう。
 3問あるから1問あたり約30分。頭の中でまず論理の全体像を構築してキーワードを隅っこに箇条書き、後はざっと文章を書き落としにかかるという流れで回答していたんだろうな。途中まで書き進めたのを消しゴムでごしごし、なんてやってるヒマは無い。瞬間芸で思考をまとめて、一発勝負で決める作文である。

 私はあんまり推敲を重ねるタイプの人間ではないと以前に何度か書いているが、なるほど学生時代に鍛えてもらっていたのだ。技術屋は思考を最大限に行え、出力作業たる作文には凝るなってことでしょうな。今どき結構な内容の定型事務作文も人工知能がやれてしまっているから、ワープロ書面の作成能力なんか既に社会的価値を失っているのかも知れない。
 さあさ、アナログ筆記用具で頑張ってみましょ♪

 アナログツールで行くと決めた瞬間、安心して読み書きが可能な環境なら、いつでもどこでも活動できる。読み込む方の情報ソースが欲しければ図書館や本屋に行けばよい。今そこにあるぶんを全て知り尽くしてしまっており、もうそこにいても意味が無い…なんて状況はあり得ないはずだ。
 今日の子供の貧困率の高さには驚くばかりだが、こと学問に関してはカネをかけずに人並以上を狙う方法などいくらでもある。そして知的能力は、いったん獲得してしまえば維持管理費はゼロに等しい。経済格差=教育格差だと?嘘つけ!

 機械技術論の試験問題と一緒に発掘されたプリント群がまた面白い。
  『ダグラスDC-10構造設計のワイヤーモデル』
  『輸送機と戦闘機の開発所要工数および開発費・製品価格の変遷』
  『コンテナ船と水中翼船の機能分化』
  『船の大型化による単位出力の低減』
  『3,500kW発電所の蒸気機関とガスタービンの大きさ比較』
  『本四架橋(児島/坂出)の橋梁規模と好適方式の例』
  『揚水vs火力vs原子力の電力負荷変動比較グラフ』
  『各種交通機関の好適速力範囲』…

 『同じ流れを数値的に解く場合の計算料金の変遷』、そうだそうだ、スーパーコンピューター『クレイX』なんかが脚光を浴びた時代であった。
 でも当時、我々まだ製図版にドラフターと烏口で図面ひいてたんだよなあ…あ、『からすぐち』と読みます。やたら手がかかるが味のある、可愛い製図用具である。

 今日は設計概論の試験問題から、ひとつ柔らか系の設問を紹介しよう。

<問題>
 一般に機械を設計する時には、基本性能・信頼性・操作性・寿命・安全性・経済性などの諸性能を見積もりつつ計画が立てられる。さて自転車には標準型(タイヤ径26インチ=660mm)のほかにミニサイクル(18~22インチ)があるが、これらに関して次の問に答えよ。
(1)自転車における基本性能とは何か。
(2)基本性能を高めるために払うべき設計上の方針を述べよ。
(3)ミニサイクルは基本性能の一部の低下を代償にして他の性能を稼ごうという意図の顕れであるが、他の性能とは何か。

 我々は、たくさん本を読んで勉強し、こんな問題を解いて育った。先生の手書き文字を青焼きコピーした配布資料や問題用紙と向き合い、紙にペンを走らせながら。

 『やりたいことを探す』という、自分の内的衝動をそこらへんに落ちている既存品に預けるかのような日本語、私にはどうしても拭い切れない違和感がある【414】
 だが現代の若者のメンタリティから自然に出てくる言葉だとひとまず受けとめ現実的に回答するならば、莫大な人数のさまざまな知識が居並んで待つ図書館で、それをやってみることをお薦めする。
 前回と今回の回答を、図書館で出してみるというのはいかがだろうか。打ち込んだ検索ワードだけに忠実かつ殺伐と情報を返して来るIT機器だと、現有の自分の目的意識しか見えない『閉じた世界』で戦わねばならない。いっぽう図書館で調べ事を胸中に本棚を俯瞰していると、頭いい人たちの見知らぬ思考成果が頼んでもないのに大量に視界に飛び込んで来て、あなたの思考世界は予想外に転がり、拡がり、深化・進化していく。
 自分に自前でその精神状態が用意できているかどうかだ。これが勝負となる。

 『コンピューターなんかもう古い』【260】と口先だけ動かしてみれ。
 これを『形から入る』という。
 友達と協力してでも大学の問題をふたつ解いてみて、改めて手元のスマホを見てごらんな。
 それにまつわる、学校や家庭で過ごす毎日を思い返してごらんな。
 それでいいんだっけ?今のその習慣が自分の人生に及ぼす影響って、どんなものだろう?
 な~んの用意もない心が、ただ画像や駄文を相手に過ごして一度きりの時間は消えていく。

 不本意ながら今スマホを持てないでいる人、不便は我慢せねばならないんだろうが、ある種の幸運を見出して胸を撫で下ろす気分になってくれたなら一歩前進である。
 機械は、理解し相応の思考を持って接して、初めて利便性を発揮する。理解力と思考力を、ユーザーが事前に用意する必要があるのだ。

 タダで試せるぞ。こちらも、やってみたまえ!!

【440】アタマ冷やしてタイムトリップ、昭和の最高学府とは [ビジネス]

 一昨日いつも通りざっと今回ぶんを書き上げ、さあアップだ…という段で手が止まった。
 …これ怖えよ。【439】をトップページのままで閲覧数推移も興味あるし、一日待つか。

 一夜明けて再読、やっぱり怖いのでざざっと手直し。こんな経緯なので、すぐアップせず時間を置いて再々度見てみることにする。ま、まだ怖いって。
 暗すぎでボツ!やだ!…と、実にここを始めて以来、初の三度手間となった。

 現時点で、今年度の税収は大幅ダウンが決定的と言って良かろう。
 ビジネスホテルのロビーも銀座の歩道も大型の家電量販店も、明らかに外国人観光客の姿は減っている。もともと一過性ゆえ頼ってはいけないのだが、そのインバウンド経済効果も昨年比で下向きは確実と思われる。
 この厳しい状況下で、納税に対する社会意識をあまりにも荒らし過ぎた。財務モラルの全方位一斉緊急浄化で、険悪な空気を一刻も早く鎮めないとヤバいぞこれ。

 …と一旦ここで止めて、自公でやってるひそひそ話の行方をとりあえず見てみるか。

 さて、ステルス実験機も試験飛行したのに、飛行機の話がほったらかしになっているのが引掛かっている。
 久し振りに部屋を片付けていたら、何と大学時代の試験問題が出て来た。そこにたまたま超音速旅客機に関する出題があったので埋め合わせに使ってみよう。
 昭和60年だから1985年、二十歳の私が何を回答したのか記憶は微塵も残っていない。当時、小中学校の同窓生を母数に取ると、大学への進学率は半分いかず、高卒就職組の方が多かったように思う。大学は『勉強の得意なヤツが、学問追求のために行くところ』だったイメージが強い。

 大学進学率が飛躍的に向上した今日、こういう勉強をちゃんとやっているのだろうか?
 卒業後すぐに社会に出ていく訳だから、強度計算や設計製図などと併せて、この領域の思考力も問われるのが普通かつ自然だと思う。私の同期はみ~んな一緒にこれをやっていた。

 若い人たち、是非一度ごらんあれ。できれば自力で回答も作ってみて欲しい。
 では、始め!!

◆昭和60年度 機械技術論 試験問題◆

 例文は 岸田純之助「技術文明論-21世紀へのメッセージ」(中央経済社、昭和60年12月)の第7章/平和国家日本の技術 からの抜粋である。
 岸田は東大工学部航空学科出身、昨年まで朝日新聞の科学技術担当の記者や編集者であった著名なジャーナリストであり、名を知っている人も多いであろう。
 岸田は、この本の第7章で、第二次大戦後、日本の技術の置かれた条件について、次のように述べている。

1.敗戦の結果、軍や旧財閥が解体され、戦後しばらくの間ベンチャービジネスが育つ自由な環境があった(ソニー、本田、立石等々)。航空機関係の多数の技術者が自動車、建築、鉄道をはじめ、あらゆる分野に拡散し、システム技術者として技術の統合化にあたって大きな役割を果たしたこと。
2.日本を占領し管理したのがアメリカだったため、TQCとかZD(Zero defect)をはじめ、実用的な管理技術、最新鋭の生産技術を日本の技術者が学んだこと。
3.軍事国家を否定し、平和産業によって日本を高度の文化国家に発展させようという国民的合意が産業界に定着し、社会の民主化がなされたこと。

 岸田は、以上のうちで第3の条件が、その後日本を高度産業国家に発展させた最大のものだと判断し、以下、例文に続いている。

<問題>
 例文を読み、次の問について考察しなさい。

(1)岸田は、原子力技術を平和利用に限定し、武器輸出禁止を自ら保持し、防衛を極力軽武装に止めるという、従来の日本の政策は、技術の健全な発展のため必要な条件であるとし、これからも堅持すべきであると述べているが、岸田のこの意見に対し、君の意見を展開しなさい。
(2)SST(超音速旅客機)は、イギリス・フランス共同開発のコンコルドも、ソ連のイミテーションも、成功しなかった。アメリカのレーガン大統領は、ごく最近の教書で、スペースシャトルは挫折させないだけではなく、マッハ25の速度で、東京とニューヨークを2時間で結ぶ新SSTを開発すると打ち上げた。このような新SSTの計画は技術として健全なものであろうか。成功するかどうかについて論じなさい。
(3)日本政府は、原子力商船「むつ」を再興しようとしているが、これは技術開発として有意義かどうか、具体的に論じなさい。

 以上

【439】格差連鎖撲滅!世界一受けたい自習 [ビジネス]

 18歳選挙権の施行を前に、自信の無さを吐露する若者の声も少なからずあるようだ。

 なあに大丈夫、結論から行こう。
 ここの文章を書き写してみるといい。例えば初回から順番にでも、気に入った回を拾いながらでも、一日最低一回ぶんここの文章を書き写して行けば、夏にはもう立派に選挙権を行使できるレベルの知識と思考力はついている。
 このインターネット社会の片隅で人知れずひっそりと重ねている独り言を、若い人のお役に立てていただけるなら、これに勝る幸せは無い。

 昔は『書き写す』というのが、子供にとって勉強の定番手法であった。授業では先生の板書をノートに写すのが最優先の作業だったし、時に先生の指示で教科書の一節をノートに写したりもした。
 当時を振り返って、写す方も写させる方も、割とその真意を心得ない機械的作業で済ませてしまったことが多いと思うけれど、後に能力開発を真剣に考える大人の立場になった私は、その作業が学習に思いのほか有効だと気が付いたのである。古来伝わる『写経』なんか精神状態を整えてきっちりやるわけだし、恐らくその効果は高い。

 もちろん私は公開を前提にして『読者の皆さんが読んで、誤解なく文意を汲み取る』という目的事象で書いている訳だが、これを受信形態というフェーズで、改めて考えてみていただきたい。
 まず文字情報を読み取ると、日本語族で共有する言語構造に則ってその文意があなたに理解され、記憶に残る。これが読者だ。
 ここで、ただ読むだけでなくワープロ打ち操作まで加わると、『文意について思考しながら内容を組立て、電子作文する』という私の創作発信者としての動作をなぞることになる。出来合いの筋書とはいえあなたの思考回路が作動し、あなたの体内通信網を経て手が入力操作を実行し、さらにそれが思考に反作用を返すのだ。
 心身連動の理解ならではの効果が、そのうち実感できるようになるだろう。

 なお、これをやったからって私ごときに洗脳されたりはしないので御安心を。
 『こいつバッカなこと書いてやがんな~』という、あなたのその心理反応までは影響を受けない。これで私の思考や感覚が丸まんま乗り移るくらいなら、世に出回る教則本やDVD教材などただ真似ることにより、スポーツも音楽も一流プロがわんさか育ちまくっているはずだ【14】
 一方よこしまな仕込み目的の作り話などお手本にすると、どうにも響いて来ない違和感と戦うだけの不毛な作業となり発散する。書いている本人の中で、内容の要素がロジカルに噛み合わないからだ。

 私はキーボードを叩きながら作文している訳だが、これを敢えて手書きで写すのもいいと思う。筆記用具と紙さえあればOK、むしろ電子作文よりも得るものは大きいかも知れない。
 ペン習字は、文字形状の美的なバランスもそれなりにあるが、書き慣れによる線の流れができてくるだけで随分と整った印象になる。毎日やっていれば少なくとも所謂ギャル文字のような未熟なヨチヨチ感は卒業できるから、ここ一番の大事な時、ラブレターの代筆などという驚愕の新価値ビジネスに世話にならなくて済むだろう。
 手書き文字が持つ唯一無二の通信機能をペン習字の見映えでしか量れないような人間関係など、関係者一同に何の意味を持つというのか。

 ともあれ、ちょっと原始的過ぎて、馬耳東風式に終わりそうで、赤ちゃん返りしたようで、少々不安になるのは当然のこと。ま、解らない言葉の意味はすぐ調べるに越したことはないが、それが面倒で三日坊主になるくらいなら解らないままで突走って構わない。
 自分に何が起こるのか、何を起こせば良いのかを、探しながら試しながら取り組んでみよう。
 夏には十分な効果を保証する。あなたはもう違う人間になっている。

 いま何かの事情で学校に行けなくなっている人も、これなら一度試してみる気になるだろうか。大人になれば解るが、どうせ平均で80年からある人生のこと、学校のパッケージ勉強が何年か前後するくらい、実は全然たいしたことない。
 大事なのは、社会を渡るにおいて必要な時期に、自律・自立を保つだけの能力が備わっているかどうかである。

 ここはso-netの無料ブログを使ってやっているが、どこのプロバイダーさんでも似たようなサービスをやっていることと思う。
 できる立場にある若者たち、『行けるかも』『行きたいな』『行ってみようかな』の手ごたえを自分の内に感じたら、自家用版を立ち上げて欲しい。思い立ったが吉日、なりゆきに任せて中断も廃止も思いのままだ。
 いま自分らのしでかした失敗の重大さに怯えうろたえる大人たちの情報社会には、現実の認識を誤魔化すゴミ屑のような嘘やデマしか流通していない。こんなもの尻目に、若い世代による本物のジャーナリズム言論社会を新設するのである。

 いずれ問題も噴出するんだろうが、まず始めなきゃその問題も起きない。
 やってみたまえ!!

【438】地球の裏側より、4年後のNIPPONへ [ビジネス]

 あと100日のリオ五輪、どうなるのだろう?開催期日は機械的に到来するのだが。
 『準備なんか整わなくても構わない』と思っているブラジル国民が相当数いると見た。
 そして、ひとん家の心配をしている場合じゃないのが我が日本だ。なかなか手の込んだあのエンブレムだっけ?のお披露目会は当選案の事前リークでグダグダだし、聖火台にしても会場のどこになろうが誰も気にしてないだろう。

 いま子供の6人にひとりが貧困だと言われているのは御存知の通り。
 一億総中流社会の昭和40年代、小学校の一学級は40人ちょっとであった。電池で動く玩具が珍しかった当時と違い、現代の子供たちには見えやすく解りやすい格差が当たり前となって人生観形成の初期段階から存在する訳だが、そこで実に級友の7人は貧困層となる計算である。現代の大人たちの記憶を底からさらえても出て来ない、全く新時代の窮屈な時間が流れる未知の世界で子供たちは育っているのだ。

 ここまで2020東京五輪の準備経緯においては、非現実的なバカ高の計画額の話と、強欲無能が不真面目に失敗した損害額の話しか出て来ていない。つまり端的に2020年の子供たちは、いま以上の貧困率の構成にしかなり得ないことが判明している。
 そこで成長して行かねばならない今の子供たちや、その親の立場で生活の諸問題をさばかねばならない今の若者たちにとって、東京五輪は災厄のシンボル以外の何物でもなかろう。
 昔なら『招致した五輪大会が頓挫でもしたら、日本国は世界の恥だ』とみんな渋々でも、その場の体裁を繕いにかかったのかも知れない。だが今のその『みんな』はまず経済的に苦しくてそれどころじゃないし、この様子だと3ヵ月後に『悪い大人が勝手にやらかした狼藉が、打つ手無しのなりゆきで結末を迎える前例』を見覚えることになる可能性が高い。五輪大会の失敗なんぞ、もう大したハナシでもなくなるのだ【314】

 2020東京五輪も『しょうがないんじゃね?ジブン、関係ねーし』ってとこでしょうな。
 そして若い人たちがその道を選ぶなら、常識のある大人はもう、自分の立場で相応の後始末を受け入れる覚悟とともに、それを支持する決心を固めている。
 別に日本列島が木端微塵になり沈没するワケでもなく、どうせ信用失墜だ不祥事だでオタオタするのは悪い奴等だ。そりゃやりかけの準備ゴトなんかで無駄金はスッちゃうんだろうけど、だからって形だけの大成功をでっち上げても、もっともっと莫大な将来債務で自分の未来がボロくなるだけなのだ。協力する筋合いでもなかろう。
 しくじって恥ずかしいのは呼び込んできたヤツらだろ、知らんわ。
 程度も期間も前代未聞の失政続きなんだから、世の中も従来感覚が全く通用しない未開のモードに変遷を遂げている。

 軽減税率も同じことだろう。いつの間に用意したのか知らんが、しょうもない対応アイテムを並べ、『いま来たら補助金つくよー』と号令を掛けてはみたものの、社会にすっかり無視され放置プレイ状態になっている。
 このデフレ底なし沼で来年4月に消費税率10%なんかやったら、それこそ景気が新時代のハイパー崩壊モードに陥り、国家経済が基本構造部から焦げ付いて機能不全に陥るはずだ。
 政治家も役人も、いくら頭が悪くてもさすがに分が悪いとは感づいたようだが、今度は
  『先送りにしても、次に消費税率を上げる時は軽減税率導入が決まってるじゃないですか』
  『既に税率凍結や減税の検討まで始まっているし、賛成。だが軽減税率はゼッタイ必要』
  『消費税率の行方は判りませんが、軽減税率の対象品目って皆さん御存知ですかあ?』
と仕込みにかかる始末である。解って見れば、そのギコチなさ不自然さが痛々しい。

 ま、どこのテレビ屋・新聞紙屋の出し物で、どんな顔についたどの口がこういう悪質な嘘を流すのか、よく見ておきなさい。表面的には仲間意識を演じながら下心で懐柔してくるってやつだ。け~っこうマトモを装った立ち位置から、アレ?と思うような良識派や良心派で売っている連中が、素知らぬ顔でやってるもんだぜ。
 気を付けな。解ってるだろうがそれ以上に、悪い大人は底抜けにずるいぞ。今どき2CHでもないだろうが、若い人たちで目撃情報を拡散し合って見識を高めておこう。
 『こいつカネに困ってんのかな~』とか『たぶん弱み握られてんだろな~』とか大人の事情を考察するのも、思いがけず他とハナシが噛み合って真実が見抜けたりするので面白い。
 しっかり見抜いて、あとは御苦労さんスルーでやらしとけ。絡むだけ時間の無駄だよ。

 もちろんダメオヤジはこの若年層の情報交換の内容をつかもうと躍起になり、なりすましやデマ流布で攪乱しようと狙ってくるはずだが、そこは使い勝手の良いコミュニケーション・ツールを次々乗換えながら、隠語・新語をちりばめてツーカーで会話する今風の通信スタイルが、強力な武器になると思う。
 いつも怒られてるせっかくの得意分野、情報戦に巧く活かして大人なんか巻いちまえ。

 さてNHKラジオの『実践ビジネス英語』にQuote…Unquoteというコーナーがあり、毎回ひとつ格言が紹介されている。かのマルティン・ルターさんがおっしゃるには、
  You are not only responsible for what you say,
  but also for what you do not say.
 『あなたには、自分が言うことについてだけでなく、言わないことについても責任がある』
メッセージを送る