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【437】社会で育てる明日の不満 [ビジネス]

 もう10日経つが、地震はそろそろ鎮まってくれるのだろうか。平和な日常生活が一瞬で崩壊するのも辛いだろうが、次の一撃が怖くて立て直しにかかれないというのも、また辛い。早く収まってくれい。
 大勢が困って泣いていて、大勢が頑張って助けに走っている。大変な事態である。

 判っていた事だが、世襲のガキはダメオヤジ税制改悪をわざと見過ごして逃げる気だ。
 一応、万が一でも本当にそんな事になったら…と前置きするが、こんなくだらない世襲まさに日本史上の汚点としか言いようがない。代を遡って日本の地から消えて無くなるべき、恥と災いの血筋である。

 日本社会の生産性向上に実効策を打たず、将来生産力の強化も一切図らず、ただ日銀がカネをばらまくだけの痴呆操作に『アベノミクス』とハリボテ看板を貼り付けて、あとは好況を演じろと民間市場を煽りまくるだけ。根拠の無いまま『まあ我が日本のことだから、何とかなるんじゃねーの』で嘘も百回言えば本当になる作戦、これがダメノミクスの真実だ。
 本当に負うべき現実の努力を何ひとつやってないのに、何ともなるワケねーだろが。
 幼少から甘やかされダメオヤジに餌付けされて図体だけ人並になったガキは、時にドンパチ騒動の起爆も辞さず組織運営を推し進める腕力を持てないまま、『リーマンショックや大震災級の事態にならない限り…』と軽々しく口を滑らせ、そこへ本当に大震災が来てしまった。

 カジュアル服飾店や牛丼チェーン業界あたりに判りやすく見えている通り、日本経済は明らかにデフレ状態を抜け出せずアップアップと浮き沈みを続けている。
 現役・次世代両方の能力開発や通貨の国内流通経路の作り込みで後を固めていかねばならないが、この動かないデフレをとにかく動かそうとするのなら、まず採るべき方策は『消費税率5%への引下げ』に他ならない。
 実際これを決定すれば世論は好意的に反応するだろうし、経済の現場にも協力的な動きが自然発生してくるはずだ。

 だが軽減税率の利権帝国に執着するダメオヤジが、これを認めない。そして実は、昨夏の新・国立競技場の件で、世襲のガキは一度懲りてしまっているのである。言われたんだろう、
 『あのさあ、動かす額は最初に決まってんの。正義の味方ごっこで邪魔しないでくれる?』

 そもそも東日本大震災の復興なんか地味な影にしてフェードアウトさせ、都心で派手なイベントを盛り上げてカネ流れを内輪優先に仕向けるのが2020東京五輪の本来目的であった。
 それが証拠に得体の知れない『経済効果』なる単独数値のみで、震災復興に加勢する黒字勘定の詳細見積を、算出根拠と併せて見た人などいないはずだ。例の競技場建設費にしても、今だけはスポーツ振興くじで何割調達するなどとはぐらかしているが、もとより将来財務の圧迫を前提にした税金財源を決め込んでいることは間違いない。
 1,200億円の建設費の半分=600億円をロトだかトトだかで埋めようとすると、コストを無視しても日本国民の全員がひとり500円負けないと成立しない。目標未達、税金で補填かな。
 事業でも何でもないこのバラマキ企画を強行するため、その目的で『ウン』と言う人間だけで関係筋を固める必要があり、よってデタラメ極まる不祥事を何度も繰り返してなお、サメ脳会長にサル大臣なんかが居残るという行きがかりになっているのであろう。

 話を税制に戻そう。日本国つまり日本国民の過半数にとっては、簡単な話だ。
 言ってた通りの大震災に遭遇した訳だし、まず真先に最低でも消費税率8%据え置きは即刻決断とし、緊急動議をかけて検討すべきは『消費税率を5%に戻して経済動向の確認』である。
 これなら万一読みが外れて消費が上向かなくとも、そして税収が思うように伸びず不慮の債務積み足しになろうとも、国民は納得して次の措置の必要性に腹を括れる。リスクはあるが勝算を見込んだ『チャレンジ』の結果だからだ。

 だが世襲のガキは『だって津波来てないし』『原発も逝ってないし』あたりを理由にして、もう誤魔化しスルーを決定済と見受ける。何しろ人が泣こうが死のうが『たかが震災程度で』軽減税率の準備を邪魔すると、年長さんに苛められるので怖くて怖くてたまらないのだ。
 これが、挑戦だチャレンジだとぺろんぺろん口先だけ調子良かった自称リーダー・自称責任者の正体である。

 ダメオヤジの裸劇執着文化を本気の否定で打ち崩し、将来世代の希望と活力のため新しい組織風土を組み直す気が本当にあるのなら、まず目前のダメオヤジに向かって毅然と『そのやり方には折り合えない』と言い放つのが最初の手順だ。
 慈悲で当たり障りに多少の手心は加えるにしても、間違いなく初め驚かれ、次に反感を持たれ、その後ぐじゃぐじゃの悶着が続くこともあるだろう。そりゃ善悪はともかく元々ある世界観をいきなり却下するんだから当然じゃないの。あとは戦況の展開都度で実力勝負、それ以外に手なんかあるかよ。
 ここで揉めるの承知で宣戦布告を言い放つ勇気のことを『チャレンジ』という。ひ弱なおぼっちゃまクンの自己陶酔ツールを指す言葉ではない。

 この役立たずリーダーの硬直状態を遠巻きにしながら、自分に面倒が降りかかるのを恐れて目をそらし口を噤む大人たちの姿もまた、日本中の子供たちが見ている。
 いま日本社会の言論自由度の低さが話題になっているが、それは詰まるところ弾圧でも忖度でもなく、『自分のラクのためなら子供をないがしろにする』日本の大人の恥知らずが原因なのだ。
 東京五輪なんかで既に見え隠れしかかっているが、覚悟はいいだろうか。

 いずれ子供たちは必ず言い放つ。
 『そのやり方には折り合えない』

【436】母なる島の叱咤激励 [ビジネス]

 今度は九州で大震災である。どうか皆さま、御大事に。

 こら『やっちゃったから手遅れなんだも~ん』の言い訳を目当てに『今年度予算は前倒しで実行』とか抜かしたの、とぼけてんじゃねえぞ。一切を緊急停止して被災地に回せ。

 亡くなった方々までおられるので、あんまりいい加減な事は言えないけれど、日本列島がこの『変動帯』にある事実が効いているのかも知れない。
 日本列島が、世界的にも稀有な気象条件に育まれた地である話はした【404】
 水に潤い適度な環境変動を繰り返すこの豊かな島は、そこで暮らす人間の心身にいつも新たな対応を求め続け、これが日本人を類稀なる優秀な民族に育て上げた訳だ。だがこれだけでは知恵を活かした自然との共存が安泰に落ち着き過ぎてしまい、文明社会は人間が起こす邪心による災い事で自滅していたのではないだろうか。

 雨風など『激甚にしても、日常の延長線上にある諸現象』とは全く異質で、しかも完成された暮らしを根こそぎ叩き壊すレベルの災害=つまり震災である。これが一定のペースで訪れ、文明社会の歪みを清算していたのではないかと思う。
 そして是も非も完膚なきまでに破壊された世界を前に、日本人は仲間を思いやり力を合わせて何度もやり直すことの大切さを認識してきた。
 日本列島は『文明社会の自動一斉更新システム』まで備えた国土なのではないか【398】

 少なくとも人類文明史の及ぶ範疇では、大昔も今も人間は変わらず人間であり、例えば江戸時代の日本人に対して、現代人が知力・体力ともに進化したスーパー日本人という訳ではない。むしろ文明機器でラクに呆けているぶん、現代人が退化しているくらいだろう。
 社会全体の大勢で少しずつ切り拓いては広く共有してきた『文明』が累積的に発達しただけで、人間単体としてはな~んにも凄くなっていない。これからも凄くならない。
 ここまで理解して、いま我々現代を生きる日本人がやるべきこととは、この幸せな国家を育て上げてきた日本列島の意志に真摯に従うことなのである。

 そう、邪心を清算する時だ。

 いま大切なのは、限られた国力がきちんとダメージ修復に向くかどうかである。
 乱暴に言えば、放っておいても組織の生存本能として、被災地に人手や支援物資が集まる。市場不具合を発生させた会社と同じく、皆やるべき事とその優先度の認識は一致しているからだ【429】
 よってルーチンワークとして政府から『被災地支援』の指示発令や措置行動はあって当然、それらが次々報道されることにも違和感は無いが、実は日本社会の興味の焦点は、その先の別のところにある。

 こんな大変な事態になってまで、まだ消費税率引上げ逡巡のグズグズ外人インタビューとか、あまつさえ軽減税率などという超巨大無駄公務の仕込みをやめようとしない、『絶望の日本国』なのかどうかだ。
 東京五輪なんか、もう既存施設の改修で対応することを前提に、開催形態の方を工夫して合わせ込む決心をするんだろうな。
 この事情なら、世界中の誰も文句なんか言いやしない。徹底した省コストの被災地応援企画にすれば、この鬱々としたイヤイヤ感は緩和されて皆もっと協力的になると思う。
 責任転嫁と言い訳ばかりの拝金老害五輪なんか、誰も見たくも関わりたくもないのだ。

 日本国では、有権者年齢に到達した者が選挙権を行使できる訳だが、有権者年齢に達していない子供たちにだって本来発言権はある。子供たちが社会的に未熟すぎるというなら、そこを有権者が成熟した知見で補った上で、子供たちの主張を誠実に慮って自らの選挙権に反映するのが義務だと思う。
 そしてもちろん選挙権だけでなく、成人社会人は子供たちが最も望む人間像を、子供たちに成り替わって実現していなければならない。それが大人の分別というものであり、世間の常識というものだろう。
 大人どもが日本社会の継続性を忘れ、社会への発言権が子供たちに付与されていないのを良いことに、自分らでやらかした不始末狼藉の掃き溜めにしてしまっている事実が諸悪の根源なのだ。この不誠実で卑劣な大人に、どこの子供がなついて、見習って、一人前に成長してくるというのか。
 日本社会のあらゆる局面で教育が崩壊し、生産性が劣化の一途を辿るワケだ。

 被災した方々には誠に申し訳ない言い回しになるが、日本列島はだらしない現政権にも、ちゃんと失敗を清算するチャンスをくれたのである。
 昔はよく言ったもんだよなあ、『おいちょっと!子供の見ている前だよ!!』って。

【435】攻撃型経営学、温故知新 [ビジネス]

  『18歳をナメるな。』
 神戸市選挙管理委員会が学校に配布したポスターのキャッチコピーである。

 設備投資のGO/NO GO判定を行うにあたっては、全知全能を振り絞ってその導入効果を算出するのだと述べた【383】
 いま仮に、軽減税率のメリットを『日用食品の購入における痛税感の緩和』に限るとしよう。
  1.とりあえず消費税率10%通しであらゆる買い物をする。
  2.支払記録のうち日用食品の購入履歴を特定し、役所にそれを提出する。
  3.審査の上、日用食品の税率8%に対し払い過ぎている2%ぶんが還付される。
  4.還付金で負担感が軽減され、消費の落ち込みによる景気悪化が防止できる。

 日用食品を特定できるレシート、オンラインにせよ紙面にせよそれを提出する書面、もちろん提出する先の窓口事務所、購入履歴の審査機関、還付処理などをする機関、更にそれらの従業員。消費者との接点作業だけで、最低でもざっとこれだけ日本中に新設する必要があるワケだ。
 一方その効果は『わあい2%ぶん戻ってきた!新税率なんて大したことないね。さあさ、もっと買い物しよう!』と個人消費が促進される額ということになる。独り暮らしの食費の相場は月額3万円程度と見積もることが多いように思うが、ちょいと贅沢して年間50万円食ったとして、それでようやく50万円×2%=年間1万円の還付だ。
 軽減税率なるものが、本当に日本経済の景気維持に貢献するというなら、上記の必要コストvs消費促進効果の計算値が計算過程まで含めて提示された上で、例えば『最終的に消費促進によるGDP向上代いくつ』のような明快な結論が出ていなくてはならない。
 一見もの凄く大層でとても歯が立たない、確度が低すぎてやるだけ無駄っぽい推測にも思えるだろうが、まあ待ちなさい。いったん富士山を動かす話を思い出して落ち着こう【137】

 ここで宅急便の生みの親、故・小倉昌男さんを紹介しておきたいのだ。

 昔は誰かに送りたい荷物があったら、みんな郵便局にえっちらおっちらブツを持ち込んで『郵便小包』という手続きで送るしかなかった。ここにイチ民間会社であるヤマト運輸が、最寄店舗からワンコイン500円という『宅急便』なる新規ビジネスで斬り込んだのである。
 『経営学』『私の履歴書 経営はロマンだ!』『「なんでだろう」から仕事は始まる!』などなど、著タイトルだけ見るとと就業社会人向けで取っつきにくそうだが、さにあらず。高校生でも十分理解できる内容であり、それどころか思わずハマり込んでしまうくらい面白いはずだ。

 宅急便ビジネスを思い立って、いきなり日本中に受付窓口を新設なんてできない。ならば一定面積をカバーする地域集配所までを新設することにして、実際のユーザー窓口は米屋・酒屋に代理店をお願いすることで解決する。コンビニ普及以前の時代、米屋=酒屋はまさにどんな田舎にもあったためで、『なるほど~』と納得しませんか?
 その地域集配所だが、集配トラックを東西南北4方位に出動+遊撃用1台の5台体制とし、集配トラック部隊の機動半径で決まる守備エリア円で日本地図を埋めていく設置コンセプトとして、全国集配所マップを計画している。『東・西・南・北で4台』という豪快な計算力に大笑いして手を叩き、遊撃対応を1台用意する綿密な実戦意識に感服して唸ったものだ。

 この宅急便ビジネスは、公務員仕事の縄張りを荒らしにかかったと見なされ、役所から酷い嫌がらせを喰らうことになる。当時の小倉社長は、郵便システムと共存の提案を続けながらルール厳守を貫き、それでも理不尽な排他工作をやめなかった役所に対して遂に訴訟を起こし、更にそのむね新聞広告を通して、日本社会に公然堂々と是非を問い掛けた。
 小倉さんがおっしゃるには、
 『役人は、新聞紙上に活字となって載ることを極度に怖がる習性がある。だから新聞やラジオ、テレビを通じて行政の非を追求するのが、極めて有効である。世間では、とかくお上の言うことを、間違っていても無理だと思っていても仕方がないと受け入れる傾向がある。民間のそういう態度が役人を間違った態度に導いてしまうのである。民間も反省しなければいけないと私は思う。』

 マスコミは、この存在意義としての自律機能をいつ喪失したのだろう?
 いったい誰が悪かったのだろう?

 恐らくそこらの図書館に何冊かは小倉さんの著書があるし、内容に一部重複するものもあれど、そのどれもが何度読んでも飽きないから、いっそ片っ端から買ってしまって損は無い。安価で手軽な文庫本もいくつか出ているので、愛読書として持ち歩くのもアタマ良さそうである。

 『経済』を最重要項目とし、背水の陣で社会事業を行う以上、カネ換算で『どう転んでも』の黒字効果額が保証されているべきだが、こと軽減税率に関しては数値の解説がさっぱり語られないのだ。
 ヒステリックに『もう消費税に組み込まれることが確立している!』などと寝言大嘘のデマ流す前に、まず数値根拠が開示されればその妥当性を疑って論ずる無駄な時間を省けるワケだから、そもそも問い合せ対応に132人も増員する必要なんか無いような気がするなあ。

 広域事業の勘どころを勉強したら、ずるく嘘つきな大人どもの胸ぐらを掴み上げろ。
 待ってろ日本社会ってとこか、絶対ナメられんじゃねえぜ18歳!!

【434】人と機械のラスト・デスマッチ [ビジネス]

 あら?テレ東さん、土曜お昼の政治・経済なくしちゃったか。好きな1時間だったのに。
 もっとも政治家や役人にとっては結構な地雷番組帯のひとつだったはずだから、つまりそういうことなのかも知れない。『軽減税率』の禁句も出ちゃったしね。

 さて、その軽減税率がどうなっているかの話だ。
 『平成28年度 予算』で検索して御覧なさい。財務省のサイトで、まさにそれが閲覧できる。
 ムツカシイなんて食わず嫌いやってる場合じゃないぞ、『総務・地方財政、財務関係予算』を開いてみよう。

 ★軽減税率制度導入のための制度周知・相談対応(国税庁)に関する体制を整備する。
  改修経費10.9億円、相談など対応のための増員132人

 制度周知というんだから、いま全国から高校生を集めて是非を討論した上で、軽減税率の導入計画について国税庁に質問し開示してもらうテレビ番組なんか作れば良いのに。

 大体いつの間にこんな決まったような話になったんだっけ?
  ・どんな組織と施設が新設されるのか。何人をどこから調達して配置するのか。
  ・一体おいくら見積もっているのか。初期投資は?ランニングコストは?
 全国の若者たち、実質的にはアナタがたの名義で借用書が積み上がるんですぞ。

 報ステ古館キャスターのラスト・トーク、大筋のネタ列挙ぐらいは用意があったかも知れないが、恐らくはさすがの即興思考で話を展開、あれだけやって最後の瞬間をぴたり合わせたのは見事である。
  『誰かを傷つけない目的も含め、二重三重のコトバの損害保険が必要』
  『報道番組で開けっぴろげに話せない空気は感じている』
  『つるんつるんの無難なコトバで固めた番組など、ちっとも面白くない』
 発信の束縛がキツ過ぎて、受信者を惹きつける本意の発言ができない。辛かった。
 この正直な訴えが、当事者の口からテレビで流されたのは初めてではないだろうか。

 『人工知能を使って作文した小説が星新一賞の一次審査を通過した』というニュースが記憶に新しい。今この時点でも『交通事故』『発生場所〇〇ジャンクション』『死傷者数△名』ぐらい打ち込めば、ヘリ中継映像のAI画像認識で、ボーカロイドによるニュース解説がそこそこ可能なんじゃないかな。
 機械くんなら、言論弾圧対応にせよ、コンプライアンス対応にせよ、禁句に口を滑らせるようなヘマは原則しない。これは便利かも。

 いやいや、それでも人間がやるから味があるんだなんておっしゃるなかれ。
 マイクロソフト社がツイッターで公開した人工知能”Tay”が、ユーザー入力からの学習で人種差別発言に走ったニュースもまた記憶に新しい。
 実は30年前の昭和末期、パソコンが大学の研究室にぱらぱら導入され始めた頃のこと。回顧して驚くべきことに、既に美少女とデートするロールプレイング・ゲームが存在していた。残念なことに私は現確できておらず、恐らくは画面に萌え系美少女の静止画が表示され、吹き出しの台詞文字で会話する方式のものだったと推察される。
 当時、同期がこれで遊んでいた訳だが、彼が言うには『汚い言葉ばかり話しかけていたらソフトの学習機能がそれを覚えてしまい、女の子が汚い言葉しかしゃべらなくなってしまって気が萎えた』そうだ。
 まさに二十歳のオトコのどうしようもなさ、唖然とするばかりのバカ全開伝説であるが、これを聞いて以来、私は学習機能の作動保証性に底知れない特有の警戒感を抱くようになった。

 【238】で『人間とコンピューターの境界が思った以上にあやふやになりつつある』という話をしているが、かなり早期にその事例に出遭っていたことを今思い出している。確か『マイコン制御』『学習機能』というフレーズが、家電のカタログに頻出していた時代だった。
 しかし無人兵器が実用稼動するこの現代に、超有名大手がこんな初歩的な見落としをするとはねえ。事実は小説よりも奇なり。

 つまり人工知能Aくん、Bくん、Cくんに各々3D容姿データとボーカロイドを対応させれば、今より楽に禁句対策しながら、討論テレビ番組が十分できてしまう時代になっているのではないかと言いたいのだ。彼等は成長もするし、適度にグレる面白さも生まれつき備えている。
 逆に、いま現在たかがその程度の内容の疑似言論を、わっざわざ生身の人間がやっているのかも知れないという危機的な事実に気付くべきと思うのだ。

 テレビ番組として成立する大事な『内容』を失っていやしないか?
 このまま変えなくて本当に良いのか?

 御本人の言葉通り、古館キャスターは端的に自らの意志であの配役を降りたのだと思う。
 ともあれ、長い間本当にお疲れさまでした。
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