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【428】ディスカバー、技術理想郷ニッポン!! [ビジネス]

 偶発債務3千5百億?本当なら、そりゃ『ちょっと待たないとダメ』ってことになるでしょ。
 限界まで自身の企業価値を高めて身売りするため、切れるのを覚悟で『その前に渡り切ったら勝ち』の綱渡りを仕掛けたように見えるなあ。真実は当事者のみぞ知るところだが、とにかく傍目では思い及ばないほど厳しい状況にあったという事実だけは間違いない。

 ボクお爺ちゃんたちの言うこと聞くんだもん、みんな死ぬまで付き合ってよ。
 ボクが責任者だ、命令する。
 『アンタら大手は果実で儲かってるんだから対外投資しなさい』ってか、ダメノミクス?

 日本列島は高山を擁する島嶼であり、大気を満たす水蒸気にも恵まれた豊かな土地である。四季の変化もあり暑さ寒さや乾き潤いが入れ代わり立ち代わり訪れるため、旬の食糧を順繰りに楽しんで暮らすことだってできる【404】。
 いま私が人類未踏の原野の世界地図を目前に広げたとして、現有の科学技術を活かす国家をどこかに作れと言われたなら、迷わず日本列島に白羽の矢を立てることだろう。地下資源には乏しいが、清涼な淡水があちこち常識的に存在する利点の方が断然上だ。
 衣食住が適度な振幅でリズミックに変動し、放っておいても新鮮な生活環境の変化がいつも頭と体を楽しませてくれる。こんなに健康的な娯楽に溢れる生活空間は、地球上の他のどこにも見当たらない。

 海外からの資源調達にしても重量物に適した海運航路が全国海岸線のどこにでもアクセス可能、おまけに瀬戸内海が西日本を横断し、この穏やかな内海が天然の産業要塞地を形作っている。高温多湿な季節でも、高地へ上がればどこも空気は涼しく澄んでいるし、人間が効率的に活動するにあたり様々な業態に適した環境が、実にコンパクトに収まっているのだ。

 まともな地面が中緯度にしかないので、未来を見据えた宇宙開発基地の立地条件としては制約がきついけれど、これは諦めるしかない。だがその基盤産業にとっては類稀なる適地の集合体だとして過言ではない。
 御存知の通り、炭素系複合素材の重要な基軸となる繊維業は既に瀬戸内沿岸に根付いており、海運を活かした大物製造工程にも向く。もちろん東北や北陸には電子部品、東海には大小の機械製造なども揃っており、手間のかかる多品種少量生産も得意だ。
 日本とは、つくづく幸せな国なのだと感心するばかりである。

 他国が望んでも到底かなわない、これほど恵まれた国土なのに、そして昔取った杵柄になりつつはあるが尚も世界で一流の技術を持っているのに、何故だらしない債務を積み足しながら私利私欲の不正ばかり繰り返す、こんな運営にしかならないのか。

 一度どうしようもない現状ニッポンに感じる暗い負担を捨て去って、原野からこの素敵な持ち駒の数々をどう活かせるか考えてみようと思った。
 若い人たちと話をしていると、結構な割合で『自分の人生の時代には希望が無い』『何をやっても無駄という気がする』『日本を壊した大人たちは責任を取って直せ』という声が聞こえてくる。素直で自然な感覚だとは思うけれど、とにかく自ら手を打たない限り道は拓けないのだから、そのための思考順路を工夫する手助けをしてみようと考えたのだ。
 まずゼロ起点で幸運を喜びながら日本社会の姿を組立て、老害は不整合発生都度の切り捨てを原則に処理していく手順があって良かろう。というか若者や子供を切り捨てると社会活動が立ち行かなくなるし、これしかない。

 実のところ世襲のガキでも今すぐ、過去になりゆきで貰っちまった小遣いの端数なんか気前よく切り上げ、何倍か返しで清算してしまえば十分カタが付いて、束縛なく自由意思で動けるはずなのである。それをやらずヒエラルキーに屈するのは年長さんが怖くて逆らえないだけの話であり、そんなスカが我々に向かっては『私が責任者です』『私がリーダーです』と嘯いているということだ。その結末は、冒頭の如く破滅あるのみ。

 おっと飛行機の話にまで戻れなかったが、まあいいや。
 文句なく日本はいい国なのだ。この時この国に生まれた幸運を喜び、幸福を謳歌しながら、それを増幅するのが我々の役目だろう。
 次の世代にとっても、その次にとっても、日本が世界一いい国であってくれないと困る。

【427】行先空欄の黒船渡航券 [ビジネス]

 ちょっと緊急で横道に。
 遂にシャープが台湾・鴻海の傘下となる。資本注入額の差が産業革新機構と比較されたが、実際この手のハナシは水面下の交渉条件も影響が大きいから、まあイロイロあったんでしょうな。
 個人的には、自由競争市場の道理として自然な流れに行ったと見ている。

 いよいよ『賢者にしか見えない大手企業の好業績』とやらの真の姿が露わになってきたってとこか。
 日本製技術の流出を本気で食い止めたいというなら、国内市場の購買力を活性化するため消費税率を5%に戻す決定を下すのが最も手のかからない速効策だったはずだ。追って消費税の増収も付いてくるし、遥かに明るく建設的な国家財務の検討論議ができていたことだろう。

 日本経済の活力なんか二の次三の次にして、政治家と公務員の利権拡大にしつこく粘着しているから、業界と市場の疲弊が重篤化してこんなことになったのだ。
 今般のシャープは、ダメノミクスの生贄に使い捨てられた被害者の一面もあると言えよう。

 ようやく『現状って十分にリーマンショックや大震災レベルでヤバいのかも』という見解のとっかかりが語られ始めた。
 まあ遅すぎるが無いよりはマシで、次は『失敗でした、現実の真摯な認識から出直します』が言えるかどうかが関門となるのだが、悲しいかなどうせここでまた躓く。青瓢箪ソーリは挑戦だチャレンジだと口先の威勢が良いばかりで、苦境を認めて立ち向かうここ一番の精神力も、のたくりながら何とかする実力もからっきし無いからである。

 とにかくまずダメオヤジは、人が死んでも軽減税率で私腹を肥やしたいのだ【349】
 で、青瓢箪はダメオヤジに逆らえない。何しろ鼻タレのガキとして出会いあやされて、お年玉や小遣いもらっちゃった時代からの付き合いが力関係に変換され今に到っている。世襲のダメ弱点がまさにそのまんま『無条件降伏的ダメ』に熟成され、ダメオヤジ妄想劇の召集令状をソーリ大臣の職権で国民全員に突き付けるパシリ役を買って出てしまっているのだ。
 カミさんまでダシにする卑屈な嘘など笑ったのは本人だけだろう。みっともない限りである。

 この体たらくの結果が日本製造業界の損失になって顕れたのである。シャープが最初ってワケでもなかろうが、辛酸を舐めながら去って行った国産技術の数々を思うと心穏やかにはおれない。
 もっともこれを終着点にする必然性もなく、恨まず嫌わずグローバルな技術も気質も逞しく習得して、日の丸マインドが先導する国際派モノ作り勢力として頭角を現して欲しいという願いも捨てずにおきたい。
 『災い転じて』で、ガラパゴス化頻発を始めとする日本式の悪いクセ矯正のきっかけを掴んで戻って来るとか、是非へこたれずに面白くなって貰いたいものである。

 とにかく割と象徴的に作用しそうと感じたニュースだったので、取り急ぎの大急ぎで、ざざっと書き落としてみました。
 再びステルス的静観モード?に戻して、次回は飛行機の話を続けるとしようか。

【426】冷たい争いの火の鳥テクノロジー [ビジネス]

 まだ各々展開がありそうなので見物を決め込むが、日本に巣食い続けたダメオヤジ文化が同時多発的に崩れ始めたように見える。とりあえず任しておいて、こっちは飛行機の話題を急ぐとしよう。

 とにかく自分が高温の熱の塊になる一方、冷まそうにも物理的に熱を持ってってくれるモノがないので困るという話であった。大気に予兆なく一直線に斬り込んでいく行為ゆえ、超音速でひらりひらりのくるくるギュンなんて機動性の高い運動は原則無理である。
 多くのジェット軍用機は、ここ一番のアフターバーナーで音速突破を可能にしているのだが、これはジェット噴流に直接燃料を吹き込んで一気に燃焼させ、その爆発力で後ろからエンジンを蹴飛ばすようなものであり、燃料消費量は通常稼働の3倍ともいわれる。だから急襲をかけたり全力退避したりといった時間限定の必殺技モードになる訳で、それで概ねコト足りるとされている。
 では超音速巡航で敵地に乗り込み情報収集して帰ってくる業態の偵察機SR-71はどんなことになっているのだろうか。

 SR-71はマッハ3以上で飛ぶ世界最速の実用ジェット機であり、かつて東南アジア地域での運用などのため沖縄基地にも配備されていた。初飛行1964年、運用開始1966年というから私とほぼ同い年だ。
 『あまりにもカネがかかり過ぎる』という理由で残念ながら20世紀末に退役したが、就役中の被撃墜損失はゼロという素晴らしい記録を持っている。搭乗員が迎撃してくる敵ミサイルを目視しながら振り切っている例も報告されているから、実にとんでもない高速機なのだ。

 機体外板は線膨張係数を徹底的に抑えるためチタン合金製。地上では外板が隙間だらけになっており、要は高温でチタンが膨張して正規のチリ合わせが完成する。着陸脚のタイヤも飛んでいるうちに機内でトロけてなくならないよう、耐熱性を高めた特殊な材質が選ばれている。
 その着陸脚も限界ギリギリの設計になっているため、地上では補機類を始め取り外せる重量物の全てが取り外されており、出動の折には前日からこれらを積み込みにかかるのだ。油脂類などは、常温だと固体になってしまうようなものを使っていたりするから、もちろん加熱して封入し冷めないうちに飛ばねばならない。
 2名の搭乗員はもう見かけ宇宙服そのもののフライトスーツを数十分かけて補助者に着せられて乗り込み、小石ひとつ無いところまで丹念に清掃された滑走路から、離陸に最低限必要な燃料だけを搭載したSR-71が飛び立つ。因みにこの時点で、主翼外板の隙間からは燃料がダダ洩れに涎れている。
 離陸して早々待ち合せていた空中給油機と合流し、作戦遂行ぶんの燃料を積み込むのだが、この時の画像でも主翼の外板の継ぎ目から燃料がダラダラ流れているのが確認できる。
 『だ、大丈夫かコイツ?』ではなく、これを信用し、身を預けて敵地に潜入するのだ。

 こうしてガスを喰ったら一気に1万メートル上空まで舞い上がって音速を突破、各部を点検・確認しつつ『機械としてちゃんと動く準備』が整う。作戦開始である。
 昼でも星が見える2~3万mの高々度ゆえ古式ゆかしく天文航法を使い、ステルス性確保のため自機からレーダー波は撃たない。偵察任務を終え首尾よく帰投したら、のちの整備作業のためにゆっくり機体を冷ましてから着陸するのだという。

 まずは超音速巡航という作動環境が、常識的な飛行条件といかに大きく違うのかという話である。冷戦時代の目的意識が今とは比較にならない重さだったとはいえ、よく諦めずに艱難辛苦を乗り越えて実用化したものだ。その結果、見事に被撃墜ゼロの偵察を成し遂げているというエピソードが泣かせるじゃないの。
 そう、破格の高性能には規格外の技術、非日常的な手間が付きものだ。裏返せば、恐れず諦めず、ひとつひとつ必要な対応を現実にしていけるなら成果はついてくる。

 ああ、マッハ3の厳しさを語るだけで一回使ってしまった。
 こんな事情により超音速巡航というのは、かなりの目的意識がないと手を出せない技術領域だと言いたかったワケです。そして今の時代の目でこれを見て、日本国の将来技術が得意分野にできそうな雰囲気を、そこはかとなく感じていただければ成功である。

 入口出口すんなり通らない流れ場をさばくには、厳しい負荷を受けとめる超耐力と、その綿密な運用ケアを徹底する覚悟がいるってことさ。
 最後はやっぱり、ダメノミクスがダメな理由でオチがついてしまうのであった。

【425】王国の中の蛙、大海の潮を知らず [ビジネス]

 おやおや、ちゃんと謝罪する自民党議員って、少なくとも男じゃ史上初じゃないの?
 かのイクメンのイケメン議員クン、ここに到るまでの素行はともかく『悪いコトをしてしまったので反省し謝る』会見の答弁としては、要所要所を押さえられており上出来である。

  『洗いざらい話しなさい』 『恥をかいてきなさい』 …ですか。
 いやあ、しっかりした奥さまですよ。いかしてるじゃん。
 サイテー最悪オトコが観念し逃げるの諦めて、まず責任取るつもりで議員辞職。こいつ更生の余地あると思うんだが。
 頑張って奥さまに許して貰えよ、彼女の切れ味鋭い采配の行方を応援してみよっかな。
 年長ダメオヤジ群に逆らう勇気を出せないまま、妄想劇の演出だけ上手くなっちまう青瓢箪ソーリなんかよりも、このイケメン君の方が遥かに物事をさっぱり建設的に転換する素質を持っている。まだ若いんだしよく考えて、じっくり腹据えて地道にやるべきことを決めるんだろうな。

 さて話を戻して、超音速で予兆なく空気に斬り込むと、何が厳しいのだろうか?
 まず超音速航空機では予兆なく空気は機体に引叩かれる訳だが、この空気には周辺に拡がって流れ去るヒマもない。つまり機体のあらゆる先端や前縁で、空気が急圧縮を喰らうことになる。
 こうして連続的に衝突してくる空気の断熱圧縮により、機体の温度上昇が起こる。

 この世の物体は全て、ナニガシかの熱エネルギーを内包している。その熱エネルギーを奪って奪って奪い切ってゼロになった状態、それが絶対零度0ケルビン=マイナス273.15℃だ。摂氏の温度スケールは、この熱エネルギーに考え及ぶ遥か以前に、水の状態変化を基準に『氷点=0、沸点=100』と目盛を振って決めたため、『物理的な本来ゼロ値』がこんな中途半端なことになっている。
 もちろん空気もそれなりの熱エネルギーを内包してそこらにいるのであり、これを急圧縮すると、圧縮され体積を押し縮められたぶん熱エネルギーが濃くなる。そしてこの熱エネルギー濃密の状態こそ、『高温』という状態なのだ。
 そう、火なんか焚かなくても空気は圧縮するだけでアツくなるのだ。自転車のタイヤに空気を入れた直後、ポンプの筒を握ってみれば暖かくなっているのが判るだろう。

 熱くなる話の次は冷める方の話である。
 熱した鉄塊をそこらにおいておくと、いずれ鉄塊は冷める。これは鉄塊の表面を風が撫でることにより熱が鉄塊から空気に移動するためだが、これを『強制対流熱伝達』と呼び、ここに発生する熱流束は『鉄塊表面vs風の差温』および『風速の1/2乗』に比例する。風速2倍でも熱流束は1.4倍にしかならないことを脳内実験室にストックしておこう。
 あんまり詳細を突込み過ぎると話が終わらなくなるので一気に端折るが、これが超音速域になると熱授受をやっているヒマがなくなるのだ。
 表面から大気への放熱が非常に起こりづらくなるのである。

 つまり『大気は断熱圧縮で機体を昇温させるばかり、熱伝達もそこそこに流れ去ってしまい、熱した機体をなかなか冷却してくれない』という作動環境になる訳だ。

 飛ぶだけでどんどん自身に熱が蓄積していく。それが超音速の世界である。
 もちろん大推力エンジンの排熱がこれに加算されるから、なおさら大変である。
 これを定常的な稼働にしたいなら、必要最小限の冷却風を取り込んで、低発熱・低温作動の上流から高発熱・高温作動の下流に向かう一連の気流を整えねばならない。いっぽう一時的あるいは断続的な稼働で割切るなら、必要最小限の熱害対策を施し、各部の温度を正確にモニターして耐熱限界を超えない制御にせねばならない。だから時限タイマー付になるケースが多いのだ。

 事ほどかように機械屋のアタマには、熱流れの要因系を総観的に理解し、目的に合わせた設計思想を固め、現実の気流や輻射の経路を調整して熱をさばく『熱マネジメント』のシステム最適化概念が存在する。
 再び、経済におけるカネや生産力の流れも同じだ。

  『ヒートシンクの温度が高いので、強制空冷ファンを後付けして始終全開にする』
  『動力室の隅が吹き溜まりの高温になるので、水をひいてきて散布・噴射する』
 機械屋でない普通の人が聞いても、いかにも野暮ったく響くシロウト風情の台詞である。全体の流れ場が拡がっているはずなのに、視野が目前の直接関心事だけに狭窄している文章だからだ。
 お察しの通り、こういうのは2次3次の不具合の懸念もさることながら、そもそも思い通りに温度を下げられるかどうかから怪しい。というか、まず間違いなく失敗する。浅はかな目論見で無理付けした幼稚な『バズーカ・デバイス』は、その後の手直しに余計な手間ばかり取らせる邪魔者として、忌み嫌われながら廃棄処分の末路を辿るのが関の山だ。

 ダメノミクスがダメな理由と、そのダメが実はかなり直感的に、誰にでも筒抜けているという例え話でシメてみました。ダメ裸族のオールスターキャストで
  『妄想も100回粘着すれば、社会が根負けして同調し、現実がついてくると思ったんです』
なんて、涙ながらに記者会見する日がいつか…おっといかん、私が妄想してしまった。

【424】PC離れて頭の体操、バーチャル実験室より [ビジネス]

 前回の水槽実験の話でちょっと横道に行っておこう。
 波動とはエネルギー伝播現象であり、ここで水が水平方向に速度をもって動くのではないと述べた。

 では逆に、水槽の中の水が水平方向に動くための要件とは何だろうか?
  1.水槽の中で、例えば深部で水面と逆行する流れがあり循環流が輪を描いている。
  2.実は左右に筒抜けた水路の一部であり、右から入ったぶん左側に抜けている。
 流線は、閉じて循環するか、出入口を持つ一本通路を通り抜けるかのいずれかしかあり得ない。もちろん質量保存の法則により、入ったぶんと出ていくぶんは、ぴたり釣り合わねばならない。

 横道ついでに口を滑らせるなら、経済社会におけるカネの流れも同じである。然るべきポイントの回路を開いて通路抵抗を下げ、圧送ポンプを回し、流体の封入量も適宜加減しながら狙いの流れ状態を作り出すのだ。
 無学幼稚なアタマで私欲都合の浅はかな目標値を掲げ、そこだけ目掛けて定性的に効きそうな操作を後先考えず見境なく投入するアベノミクスとやらは、流れ学の原理原則にかすりもしない【337】絶望的なダメオヤジ低級劇『ダメノミクス』としか言いようがない。

 さて本線に戻り脳内実験その2である。救急車が一台いてサイレンを鳴らし始めたとしよう。
 『ピーポー』の最初の『ピ』の瞬間、サイレンの発音部が空気を加振する。サイレンの拡声ラッパによる指向性は今ちょいと度外視して、この加振で発生した圧力波は、救急車を起点に音速=マッハ1で球状に拡がっていく。繰り返すが、空気がマッハ1で放射状に飛び散るのではなく、エネルギーが全方位に等速度で伝播していくことを確認しておこう。

 もし救急車が停止していれば次の『ポ』の波が同様に発生し、同心球が内側から追いかける形で拡がっていく。紙の上に半径の違う同心円を描いていただくと良かろう。外側の円が『ピ』で放たれた圧力波面、内側の円が『ポ』で後を追う圧力波面だ。
 だが救急車が左から右向きに走っていたとすると、『ピー』から『ポー』までの時間に救急車は少々右に移動する。従って、内側の円は救急車の移動代だけ中心が右側にズレることになる。後で解るが、内側の円は丸々が外円内に収まるよう、『中心は少々右側』に置いていただきたい。
 続く第2回目の『ピー』は更にその内側の円となる。救急車が止まっていれば三重の同心円、左から右に走っていれば、右側が混んで左側が空いている三重円である。よろしいでしょうか。

 まず救急車は空気を押しのけながら前進するのだが、行く先まっ正面の空気に救急車到来の予動が伝わる速さは音速=マッハ1である。ここで仮に救急車が音速で走ったなら、拡がっていく最初の『ピ』の円に内周側から追いつきながら『ポ』の発音が始まる。つまり上記の三重円は、右側で次々内接した姿になることがお解りだろうか。
 では救急車の絵を、飛行機の絵に入換えていただこう。これが音速到達時のエネルギー分布概念図であり、右側に重なった円弧が『音速の壁』と呼ばれるものだ。
 そう、自機が空気の予動に追いついてしまうということは、自分より先行して伝播するはずのエネルギーが、『厚みゼロ』つまり『密度無限大』に圧縮され壁面として立ちはだかるということなのである。

 脳内実験その3。プールに剣道の竹刀を持ち込んでみよう。
 構えを取る時のように振りかぶった竹刀をゆっくりと下ろすと、水中にズブブッと潜り込んでオシマイである。だが試合中に面一本取るつもりで鋭く振り下ろすと、今度は水面を叩いた瞬間ガツンと激しい手応えが返ってくるはずだ。竹刀を避ける気の全くない水に対して、予兆なく竹刀を叩き込んだためである。
 かなり乱暴な感覚物理だが、音速突破とは目前の空気に対してこの態度で斬り込んでいくことを意味する。物理的には結構タダごとでない世界への入口なのだ。

 超音速航空機は音速の壁を突破して『超音速』に到る訳だが、音速突破の瞬間には爆発音が轟き、機体にも強く不安定な力学的負担がかかる。これが衝撃波だ。だから飛行機の実用速度は、ジャンボやエアバスあるいはB-52のようにマッハ0.85=時速1,000キロ程度の亜音速から、一気に超音速軍用機クラスのマッハ1.5あたりまで間がとぶのである。
 実は音速の壁を越え超音速領域に突入してからが本格的に大変で、大抵の超音速軍用機は『ここ一番』の必殺技として超音速機能を備えているだけで、時限タイマー付の高性能だと思って良い。

 うわー、やっぱりというか、メチャクチャ切れが悪い回になってしまった。
 先にネタをばらしてしまおう。細かい要求に応じて超高度な技術を少量生産するという業態は、日本の中小製造業の得意とするところだ。日本国には安全保障上、特有の航空技術が必要なのだが、これに関わる製造業を内需ビジネス活性化のトライアルに使えないかという話である。
 カネを巡らせたいなら、内需ループの流路にある駆動ポンプ機能をひとつずつパワーアップしてやらねばならない。どこぞのピンポイント流量や液面高を稼ぐためだけに限度知らずに流体を注ぎ足したり、バッファータンクの備蓄を無理に吐き出したりしても、システムが壊れる以外の結末はあり得ないのである。

 機械は正直、真摯に現実を認め課題を見出し、立ち向かえるプロにしか動かないのだ。

【423】妄想ストリーキング国家の護身術 [ビジネス]

 いま『裸の王様』をポンと放映すると、視聴率がまずまず鋭く反応するはずなんだがなあ。

 『アベノミクス司令塔の一角たる大物が不意に崩れて安倍政権は大打撃』ということだそうだが、日本国民ひとりひとり時間かけて真意を問い質しながらインタビューすると、この文面のままに認識している者など一人としていないだろう。
 アベノミクスなんて経済強化政策というより利権強化政策そのものであり、バレバレの穴だらけを知りつつ強行したもん勝ちの自民党文化で押し切って【318】、ダメオヤジ利権帝国にだけは輝く明日が約束される…って筋書きだろ?皆そんなもんがズッこけて大ゴトでもなければ、パクられた奴が大物だとも最初から思っていない。

 真相はこう。
  『バカが紙切れポッケにくすねて悪役決定、ママゴトのお父さん役を追われて泣いた』
 本人な~んにも引き換えてないので結局ただの紙切れ、やってたのはダメオヤジ妄想劇の執着行為なのでただのママゴト【345】。一体どのへんがダメオヤジ次元空間の美学なんだか知らんが、いい歳ぶっこいたオッサンのあの醜い退き際はひたすら見苦しいの一言であった。
 『我々は現実で忙しいんだって。カップラーメンに400円払うボケ老人はまだいるの?』
 厳しい家計を切り回しながら今日を生きる日本国民の率直な認識は、大体こんなところだろう。やっぱりこの哀れな裸族を最初に真っ向指摘するのは高校生たちかな。

 ときに少々驚いたのが日銀の突然のマイナス金利である。
 当面万策尽きて、物価上昇の物証作りを前代未聞の大混乱が引き起こす偶然に頼った結果がこれってことか?日銀政策委員の半分強は『妄想演劇部の劇団員ゆえ実質経済にはシロウト以下』ってことなんだろうが…あーあもう!ちょっと待とう。
 馬鹿馬鹿し過ぎて疲れてきた。今これを掘り下げるのはやめて飛行機の話を先にする。
 経済におけるカネ流れを理解するのに、空気に代表される圧縮性流体の物理センスが割と役立ったりもするし、話の分割が難しそうで長らく躊躇していたのだが、思い立ったが吉日でやっちまおう。気分転換である。

 私は、そっち関連の極秘任務を受けた特命エージェントという経歴はまるっきりないのだが、航空宇宙技術研究所つまり今でいうJAXAの実験設備にちょろっとお邪魔したことがある。まだ近隣の土地勘が出来上がっていない大昔のことなので記憶が怪しいが、たぶん今の調布の施設だと思う。
 超音速風洞実験やジェットエンジンの内部気流解析など高速航空技術の研究現場は、もう帰りたくなくなるほど心の全てを惹きつけるもので、今でも断片的にその時の光景が繰り返し思い出される。

 だがまずは簡単な理科の実験からだ。
 四角い水槽に水を入れ、片方の面をトンと叩くと、そこから横一線に波が放たれツーッと対面まで走る。目視しながらストップウォッチで対面到達までの時間を測れば、波の進行速度も計算できる。
 ここで気付くべきは、この水槽に発泡スチロール片を浮かべて波を走らせたとして、発泡スチロール片が波の進行速度でもって対岸めがけてかっ飛んで行くのではないということだ。『速度』といいつつ、発泡スチロール片も水面付近の水も、横から叩かれた衝撃を受け水平方向の速さをもって移動するのではない。言ってしまえば水平方向の移動量はゼロである。
 波動現象は、『質量体の運動』ではなく『エネルギーの伝播』なのだ。
 だから太平洋の対岸から襲ってくる津波なんかは運動方程式の対象外となる訳で、これを『莫大な量の海水塊をこっち向けて押し出し、時速700キロまで加速させる』と捉えようとしても感覚が噛み合わない。もちろん『時速700キロで受ける空気抵抗』という概念とも無縁だ。

 ここで『どんなに強く勢いよく水槽を叩いても、波の進行速度は上がらない』というポイントを押さえておいていただきたい。再度、水という質量体がその速度で移動するのではなく、水位に顕れるエネルギーの伝播現象だからである。
 この水面波伝播と空気中の圧力波伝播とは物理的に等価ではないのだが、波動の基本という点では上記の感覚で御理解いただいて問題ない。

 ここ最近の北朝鮮の不穏な動向を受けて、横田基地に米軍のF-22ラプターが配置された。F-22は最新鋭のステルス戦闘機だが、超音速巡航機能も備えると言われている。
 現在、F-22は輸出されておらず、恐らくは今後も輸出されないと思われるが、本来ステルス性と超音速巡航の両立は、日本の安全保障にこそ必要な技術だと言って良い。

 …ところでねえ、国産ステルス研究機の『心神』って呼称、いずれ見直しません?
 頭の中でパンダがうろうろ歩き回るのは、ワタシだけでしょうか…?
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