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【354】紆余曲折は未定がルール [ビジネス]

 STAP細胞が再現できないままトライアル期限を終えたようだ。
 しかも彼女、退職しちゃうのかあ。大どんでん返しを期待していたので、残念。

 白状してしまえば、最先端の検出実験で200回も再現させる理由が不可解だったりするし、現象発現時のものとされる実験ノートのメモが、理科系思考者が模索のすえ確信して書き落としたにしてはあっさり漫画風に整理され過ぎており、何か演出が漂うというか、違うセンスが介入している雰囲気を拭えなかったりもした。
 歩き回り、動き回り、いろんなモノを食って出して、さまざまな環境変動に晒される生物の細胞が数十億年の試行錯誤を経た完成度で現存するのである。そうあっさりとフォーマットできるものだろうかという疑問も深かった。

 もっとも勘繰り含みの検証行為など裏読みや思惑が外乱となってその後の展開が混迷しまくり、結局は何が本当か判らなくなるだけである。ごちゃごちゃ言わずに彼女の言葉そのままを丸ごと真実としてコトを動かし、現実の追従如何に応じて対応を決めていく大筋で取りかかったのは正解であった。
 実際、年明けに研究成果を披露する彼女の表情は実に嬉しそうに輝いており、小細工を過大宣伝する抵抗感の陰など微塵も見えない。

 研究所組織の側のうしろめたさを隠そうとするかのような奇妙な監視体制のもと、彼女が思う存分こころゆくまで可能性を齧り尽せたかどうかが甚だ怪しいし、彼女なりに心中に抱く根拠事象と今回の検証結果を対応させ、乖離点を説明する形で情報開示されてもいない。恐らくは彼女も、よこしまな妄想が決めつけたシナリオの被害者なんだろうな。
 『もうウヤムヤで終わりにしとけよ』ってことか。加齢臭くさいぜ、ここも。

 何はともあれ、本当にお疲れさまでした。人生いろいろあるさ、ごゆっくり休息を。

 もう20年近く前になるが、北米に移住しても構わないくらいに考えていた頃がある。多くの現地スタッフたちが言う通り、確かに私はむこうの社会に馴染めそうな気がしていたのだ。もう手を挙げれば、それでコトが転がり始めそうなくらいまで行っていた。
 しかしまあこんな時に限って、ぴたりとタイミングを合わせて両親が同時に体を壊して入院してしまい、姉と私が新幹線で実家に戻りつつ事態を収束させたものだ。これがまたさっぱりと元気にならずにグダグダ尾を引くパターンだったため、私は結局なし崩しに日常生活に戻ることになった。当時期待してくださった方々には今も申し訳ない思いが残る。
 あのとき両親が人並に元気だったら、私は今ここにいない可能性が高い。それはそれで随分と違う楽しさのある人生だったろうが、父に大好物をたらふく食わせて見送ることも、姉の最期を手伝ってやることもできなかったろう。一面的な結果論だが、一生の後悔をせずに済んだのは正解と言える。

 北米は合理思考でそこの生活を選んだ人種の集まりだ、という話は何度か書いた。
 ニューヨークなんかは大西洋の対岸が対岸だけに移民があちこちに目立つ。現地スタッフと安めのホテルに投宿したら、フロントは英語を話せずカードの決済操作もできないアフリカ系移民と思しきオッチャンである。慌てて出てきた若い兄チャンが手伝ってその場は何とか完了したものの、その夜の私宛ての国際電話をちゃんと繋がず半端な返答をしてしまい、NYで突如消息を絶った私の身を案じて日本では大騒ぎになっていたらしい。
 少々迷惑な笑い話だが、充実した人生を賭けて新天地に移住してくる連中の逼迫感と逞しさのドタバタを垣間見た一件であった。

 翌日ブロンクスのとある整備工場を訪ねるにあたり、現地スタッフ氏が言うには
  『あそこボス以下、作業員も全員イタリア人なんだよなあ。
   どうみても商売になる仕事量じゃないが、なんで潰れないのか誰も訊かないんだ』
 はあ、日本から来たカタギの技術屋相手におかしなことにはならないのだろうが、一応心得て会話しようねってことか。ユル~いイタリア語の歌声が響く作業場を過ぎオフィスに通されると、予想通り明るく気さくなシシリアン紳士という雰囲気の恰幅あるボスだった。ええ、ビミョーに怖かったっす。
 ここで私を紹介するにあたり、現地スタッフが選んでくれた言葉がちょっと自慢だ。
  “He is Japanese, but very special. He is AVANT-GARDE!!”

 未知を恐れる限り既知にしか暮らせない。現実に飛び込んで遭遇し、余計な外乱を遮断しつつ必要な状況確認を経て、皆を含めよく考えて判断する。『前衛的』であるためには、まず前進することが必要だ。

 年内これでオワリかどうか、体調次第ということもあってよく判りません。
 ひとつ確実なのは、今これから年賀状を印刷せねばならないということである。
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